外国人労働者向けの研修動画制作 エヌ・エイ・アイ
Biz Movement

2019/9/17 6:00
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翻訳事業を主に扱うエヌ・エイ・アイ(横浜市)は外国人労働者が業務内容を母国語で学べる動画の制作で、新たな需要を獲得している。来日する前に業務内容を学ぶことができ、企業側も学習状況を把握できる。4月の改正出入国管理法の施行を受け、外国人実習生をはじめ需要のさらなる拡大を狙う。

実際の介護施設で、動作を1つずつ撮影(神奈川県二宮町)

実際の介護施設で、動作を1つずつ撮影(神奈川県二宮町)

「動画でOJT」は工場や介護現場での業務を細かく撮影し、外国語で説明文を付ける。例えば介護の歩行介助でも、マヒがある場合とつえを使う場合とで細かく分ける。英語や中国語、ベトナム語、ミャンマー語に対応する。介護向けは2017年から約2年かけて制作した。

動画はインターネットで閲覧し、利用する企業はエヌ・エイ・アイにアクセス料を支払う。1アカウント当たりの利用料は英語が月3000円、ベトナム語や中国語が月5000円だが、利用者数が一定数以上からは月1000円にする。製造業など工場によって手法が異なる場合はオーダーメードで対応する。対象の外国人がどの程度視聴したかを企業が把握できるようにし、理解度を試すテストも提供する。

業務内容の動画だけでなく、日本での日常生活をまとめたDVDも好評だ。「ごみは曜日ごとに出せるものが異なる」「電車には女性専用車がある」などを紹介している。「飲食店の勧誘は高額になることがあるので気をつけて」などもある。

エヌ・エイ・アイはもともと、幅広い文書の翻訳を手掛けてきた。18年8月期の売り上げは2億3590万円で、研究論文や契約書のほか、訪日外国人向けに飲食店のメニュー表を訳すなど、請け負う事業も扱う言語も多様だ。

ただ近年は、ネットの翻訳サイトの普及や論文執筆数の減少で、受注が減少傾向にあるという。新規事業を模索し、動画制作にたどり着いた。伊藤秀司社長は「外国人に限らず日本人従業員の教育にも役立つ」と、広がりを期待する。

9月には横浜市や学研と組み、外国人実習生の教育支援に関する実証事業にも乗り出した。今後は介護や製造業以外にも職種を拡大していく。動画制作を通じて外国人労働者の技能を来日前に磨き、国内で働きやすい環境づくりを目指す。

(浦崎唯美子)

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