家屋崩壊、停電で情報遮断…千葉・南房総市、復旧見えず

2019/9/13 13:17
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台風15号の被害を受けた家屋(13日午前、千葉県南房総市)

台風15号の被害を受けた家屋(13日午前、千葉県南房総市)

千葉県南部の南房総市は台風15号の影響で13日午前も市内のほぼ全域で停電している。屋根瓦が飛ばされ、窓ガラスが割れたままの家屋も目立つ。3連休で雨が降る恐れもある中、電話やインターネットなどもつながらず救援も呼べない。「気が休まらない」「復旧が進まない」。孤立状態の住民らは疲れた表情で口をそろえる。

南房総市内の路上は13日午前も倒木や瓦、壊れたブロック塀などが散乱している。屋根が吹き飛ばされた住宅にブルーシートがかけられ、家屋や店舗の前に割れた窓ガラスや瓦が山のように積まれている。

同市の世帯数は約1万7千世帯。東京電力パワーグリッドによると、建物ベースで13日も約1万7千戸が停電しており、ほぼ全域で電気が使えない状態だ。停電戸数は県内では隣接する館山市(約1万8千戸)に次いで多い。

「復旧を進めたいが、携帯電波が不安定でなかなか進まない」。携帯電話を握りしめながら市役所を訪れた運送会社社員の田中信子さん(72)が肩を落とす。

市職員によると、台風上陸翌日の10日は携帯電話の基地局は非常用電源で機能したが、11日以降は機能停止。市内では固定電話もつながらず、広範な通信障害が続いている。携帯各社が緊急車両を派遣している市役所周辺のみ電波がつながり、市民が集まっている。

瓦が崩れたほか、屋根が吹き飛んだ家屋もある(13日午前、千葉県南房総市)

瓦が崩れたほか、屋根が吹き飛んだ家屋もある(13日午前、千葉県南房総市)

田中さんの自宅は強風で屋根瓦がほぼ飛ばされた。車は窓ガラスが割れて使えず、館山市に住む弟に災害ゴミの運び出しの手伝いを頼みたいが、通信障害で連絡が取れない。「市から被災ゴミの回収の案内がようやく来たのに……」。13日は曇り空で3連休中は雨の予報も。「雨が降ったら家が本当に崩れてしまうかもしれない」と恐れる。

漁業を営む福島弘美さん(63)も「インターネットがつながらず、物資がどこに届いているのか、お風呂はどこで入れるのかといった情報が集まらない」と困った様子。「気が休まらない。早く復旧してほしい」とため息をつく。

南房総市の専業主婦の女性(36)は強風で一軒家の2階の窓ガラスが割れ、大量に吹き込んだ雨水の重さで2階の床に穴が開いたままだ。

オール電化のため調理もできず、食事は近所の人からもらって何とか過ごしている。休校の続く小学2年の長女(8)は「早く学校に行きたい」と繰り返し訴える。女性は「断水になるかもしれないという噂も聞く。子どもたちにもストレスがたまってきている」と先行きが見えない現状に不安を募らせている。

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