前沢氏「社長退任、悩みまくった」 ZOZO会見詳報(3)

ヤフー、ZOZO買収
2019/9/12 22:54
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記者会見する(右から)ZOZO創業者の前沢氏、沢田社長、ヤフーの川辺社長(12日、東京都目黒区)

記者会見する(右から)ZOZO創業者の前沢氏、沢田社長、ヤフーの川辺社長(12日、東京都目黒区)

ソフトバンク傘下のヤフーZOZOが12日開いた記者会見の発言詳細です。(2)は「前沢氏「宇宙に行きたい」」参照。

▼質疑応答

――前沢さんの抱えている借金が今回のヤフーへの売却にどのように影響したのか。

前沢氏 皆さんもいろいろなものを買うとき、借金やローン組まれると思うんですけど、それと一緒です。ゼロが何個か違うだけです。買っているものは現代アートや宇宙への渡航チケットなどに出費してきました。宇宙への渡航チケットは現物資産として残らないものですけど、それによって得る体験、得る人脈があり、かけがえのないものであって、無形資産ですけど、もしかしたらかけた以上の投資効果があるということで宇宙への渡航等を前向きにやってきた次第です。

現代アートについてですが、むしろ買ったものが、さらに値段や価値が上がっている状況です。自分の信用の範囲と人にご迷惑をおかけしない範囲で一定量の融資を受け、それによって、自分の人生、体験を膨らませていくというのはごくごくまっとうな、皆様と同じ考え方であり、やり方なのではないかとやって参りました。その借金は現物資産である、たとえばアートを売却して返せばいいだけ。ですので今回、首がまわらなくなって、急いで提携したのではないか、という臆測は本当に臆測にすぎず、全く事実と異なりますので、この場を持って強く違うぞと言わせてください。

――ZOZOの社長を退くことを決定した。今の心境は。

前沢氏 それは悩みまくりました。一部には無責任なんじゃないか、放り投げているんじゃないか、という意見も予想していましたし、実際に今もネット上で書かれたりもしています。でも僕は自分の地位や権力に甘んじてあぐらをかいて、本当に一番大事な事業の拡大だったり、会社の成長を見過ごしたりして、保守的に自分を守る方が無責任だと思う。先ほど言ったとおり、ZOZOは今、1つの大きな課題に直面していると思っている。それはこれからの大きな成長にとっての課題です。課題を解決していくうえでも、今回ヤフーとの事業提携は本当のすばらしいきっかけになると思っています。それに合わせ私のワンマン、自己都合、トップダウンの経営から、ZOZOがもっと現場の一人ひとりが権限・裁量を持ち、全員が社長のように振る舞えるような、そういうチーム力、総合力の高い組織に変わっていかなければならない。

そういった意味で私が潔く辞任し、後継者である沢田に譲り、今以上のチーム力、総合力をもってさらなる成長を遂げていく。そういったことを期待して、苦渋の決断ではありましたが、また悩みもしましたが、潔く退くことにしました。よく経営者は孤独だとみんなは言います。僕は実は意外とそういう風には思っていなくて、経営者は孤独ではなく、良いメンバーに囲まれて事業にいそしむことができて、孤独じゃないとおもっていたが、最後に決断の時に悩んで、悩みまくった。経営者は最後は自分できめないといけない立場で、孤独だと思った。

――ZOZOの持つ千葉ロッテマリーンズのスタジアムのネーミングライツはどうなるのか。

川辺氏 球団と違ってネームライツなので、個々の企業の判断、プロモーションの費用ということだろうが、その判断の中でやっていくという理解をしているので、ヤフオクドームについてはヤフーとして、ZOZOについては答える立場にないが、おそらくZOZOもプロモーション費用の範囲だと思う。

沢田氏 ZOZOマリンスタジアムでネーミングライツやらせてもらっているが、今だいぶ契約が残っているし、我々千葉の会社だし、千葉愛は強い。社員全員、千葉が好き。ロッテも好き。やめる理由は全くない。ビジネスとしても非常に価値があると思っている。ネーミングライツを取得してZOZOマリンスタジアムの名前をつけたあと、かなり認知度が上がった。契約は残っているし、相手があってのことなので、ないとは思うがプロ野球の方から何か話があれば、考えさせてもらう。

――株式市場でZOZOの株が急騰した。

川辺氏 ネットの反応はみた。歓迎されていると理解している。理由の一つは、あまりにもサービスの雰囲気が違う2社が何か起こしてくれるのではないかという期待があると思う。もう一つはペイペイでやっている還元がZOZOにも来るんじゃないかという期待で歓迎されているのではないか。その期待に応えたい。

前沢氏 新しい道、生き方について、大きく2つ考えている。一つ目は宇宙との関わり。23年の月に行く前にも宇宙に行く。もう少し近場に行く。それについては改めて報告するが、訓練や準備を考えると英語、ロシア語などを勉強し、宇宙飛行士の方にご教授いただきながら、ど素人なので、いろいろ勉強させていただかなければいけないということで、それが一つ目の道。ふたつ目は事業家でありたいという思いが強い。ただ単にもうかるビジネスだけでなく、社会や人のためになるビジネスをしたい。43歳にもなり頭の回転も鈍り、体も衰えてくるだろうが、急いで新しい事業を興していきたい。自分一人ではなくて、同じ思いの人がいれば一緒にやりたい。本業1本ではなく、複数の事業同時並行で、チャンスがあれば社会を変革することをやりたい。

――今回の提携の経緯を聞きたい。

前沢氏 時間軸については正確性を欠くため、何月何日というのは発言を避けたいが、孫さんには「人生ロックにいきたい。孫さんが言うようにいかがわしくありたいんだ」と相談した。そのときに「ヤフーの川辺君を紹介するから2人で話してよ」という形で始まった。ヤフーさんとは前からいろいろな提携をさせていただいていてその都度、どうしたらもっと盛り上がるかや、もっと深くやる方法はないだろうかなど、ずっと議論をしていた関係だったんですけど、あらためてしっかりとしたテーブルを設け、お互いの課題を話す機会をもらい、そこから具体的な提携の話に進んでいった。今回の提携は孫さんがヤフーを薦めたというわけではない。

川辺氏 ヤフーの令和特集で、起業家にインタビューしていた。急きょ孫さんのインタビューをしたときに「平成で失ったものは日本人の元気なポジティブな意味でのいかがわしさだ」と。「いかがわしいと思う人をみんなでたたく文化が日本をだめにしているのではないか」と孫さんが言っていた。「月に行きたいなら行かせてやればいい」としきりに言っていた。前沢さんのことを孫さんは気に入っているんだと認識した。そのあと孫さんから「ZOZOとヤフーについてよく話をしてきたら」と紹介された。その前から提携していたので、シナジーはわかっていた。うまくいかせる自信があった。

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