ヤフー社長「広告とEC、収益の2本柱に」 会見詳報(1)

ヤフー、ZOZO買収
2019/9/12 21:04
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ソフトバンク傘下のヤフーZOZOが12日開いた記者会見の発言詳細です。(2)は「前沢氏「宇宙に行きたい」」参照。

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記者の質問に答えるヤフーの川辺社長(12日、東京都目黒区)

記者の質問に答えるヤフーの川辺社長(12日、東京都目黒区)

▼川辺健太郎ヤフー社長

お忙しいところありがとうございます。内容の説明に先立ちまして、月曜未明に起きました台風15号によってZOZOの本拠地の千葉県が大きな被害にあった。登壇する全ての人間を代表してお見舞い申し上げます。

前沢さん及びZOZOの千葉愛は大変有名。千葉を大変気遣って盛り上げている。私も千葉県民で、台風被害の大きかった館山市の住民。私の自宅も被害に遭った。今週私は悲しくつらい気持ちだ。

であるがゆえに、資本・業務提携により、千葉が生んだ偉大なるインターネットカンパニーとの提携を成功させ、千葉を元気にしたい。ZOZOと資本・業務提携させていただいたその内容について説明する。

資本提携については、これからヤフーがTOB(株式公開買い付け)でZOZOの株式50.1%の取得を目指す。一緒になってインターネットの未来を築いていく。投資額は4000億円、所与の条件を満たすのが前提となるが、今日はTOB実施について契約を締結した段階だ。

ヤフーは広告事業がメインだったが、EC(電子商取引)事業が新たな事業戦略上のキードライバーになると決算説明会でも説明していた。そういったことが締結の根底になる。

重要なポイントは4つある。

最初のポイントはゾゾタウンがECモールに初出店すること。この秋、ヤフーはペイペイモールというヤフーショッピングと異なる新たなプレミアムモールを、(スマホ決済の)ペイペイ、ヤフーのユーザー向けに立ち上げる。そこのファッションカテゴリーにゾゾタウンにぜひ入っていただきたい。それを前提にした契約だ。ゾゾタウンの全ブランド、全ショップにご理解をいただいてご参加いただきたい。

2点目はECの利用者が「爆増」すること。ヤフー、ソフトバンクグループで新しいお客さんをゾゾタウンにどんどん送客していきたい。それぞれたくさんのユーザーがおり相互の送客も可能だ。

ヤフーはメディアとして月に1、2回訪れる人が5000万人もいる。ZOZOは月に何度も利用するコアユーザーがたくさんいる。ユーザー属性が大変補完的。ヤフーは30~40代の男性のお客さんをZOZOに紹介できるし、ZOZOはヤフーにその分、若手ユーザーを送客できる。両社とも顧客基盤の拡大が見込める。

3点目はECの物販取扱高が爆増すること。ヤフーは長らく1兆円前後で停滞していたが、2013年のEC革命を打ち出し、5年で1.87兆円まで成長した。ZOZOもファッションカテゴリーで市場成長以上の大きな成長をしている。合わせて2兆円を超えていく。相互送客やいろんなシナジー効果を合わせて取扱高が爆増していくと考えている。

ヤフーは15年に旅行予約サイトの一休を子会社化、トラベル事業の取扱高が1.9倍に増えた。両サービスの取扱高が増えた。このノウハウを徹底的にZOZOにも注入する。

ヤフーのECとZOZOを合わせて力強く成長することで、日本一のECが現実的に視野に入る。これはヤフー悲願の目標で20年代前半に到達したいといってきた。楽天、アマゾンが強いという意見も一部あったが、かなりそれが現実的になった。手が届きつつあると考えている。

4点目は、営業利益も爆増していくこと。ヤフーの利益558億円、今年度は700億円を見込む。ZOZOはファッションカテゴリーに特化して、200億~300億円、これからシナジーをきかせれば300億、400億とれるようになっていくと思う。19年の計画値を合算するだけでヤフーの前半の営業利益の1.8倍の規模になる。これまで収益は広告の一本足打法と見られてきたが、ECとの収益の2つの柱ができるのではないか。

ZOZOタウンがペイペイを導入する話もしている。ファッション×テクノロジーのZOZOと日常体験とテクノロジーの掛け合わせを標榜しているヤフー、互いの成長にとって最高のパートナーになると確信を持っている。

お互いに大切にしている理念がある。ZOZOは「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を」ヤフーは「ユーザーの生活をびっくりするほど便利に」。お互いに影響しあいながら、かっこよくて便利なECの未来をわれわれだからつくっていける。つくっていかなくてはいけないのではないかと考えている。ZOZOとヤフーによるECの発展に注目してほしい。

記者会見するZOZO創業者の前沢氏(12日、東京都目黒区)

記者会見するZOZO創業者の前沢氏(12日、東京都目黒区)

▼前沢友作ZOZO前社長

「前社長」になった。急な発表にもかかわらず感謝している。今日午前、ヤフー社との資本業務提携の締結を発表する運びとなった。当社ならびにヤフーの発展を心から願う。私自身の退任も、発表させていただいた。私の意向をもとに承認を得て、沢田が選任され新社長となる。第2部で詳しく説明させていただく。

沢田社長を紹介させていただく。今年で49歳になる、横浜生まれ育ちの浜っこ、A型で生真面目、ストイック、きちょうめん。表情からも見て取れるのでは。入社から11年、ゾゾタウンの事業責任者を務めてきた。マーケティング、リレーション、ブランドさんとの付き合い以外は全容を把握している。その意味でもヤフーとの提携において果たせる役割は大きい。新社長としても適切ではないか。

沢田さんに新社長を託したいとお願いしたところ承諾してもらった。そのとき、嫁に聞いてもいいですかと。かわいいところもある。社内からもなつかれている。若手から古参まで、フランクに接するのもあってなついている社員が多い。後を任せるのに適任だと。

記者の質問に答えるZOZOの沢田社長(12日、東京都目黒区)

記者の質問に答えるZOZOの沢田社長(12日、東京都目黒区)

▼沢田宏太郎ZOZO新社長

はじめまして、本日付でZOZOの社長に就任しました沢田です。ヤフーさんとの提携の話の上で、ZOZOとしてどうやっていくかを話していきたいと思う。メディアに囲まれるのはデビュー戦。紙を読み上げながらやっていく。

今回の資本提携、実務責任者として議論を重ねてきた。結果としてこのような発表ができたことをうれしく思う。リソースの結集で、アパレル業界をこれまで以上に盛り上げられることをうれしく思っている。

ZOZOの新規体制は沢田が社長兼最高経営責任者(CEO)。柳沢(孝旨氏)は取締役副社長兼最高財務責任者(CFO)。伊藤(正裕氏)が取締役兼最高執行責任者(COO)に。3人とも長きにわたり、前沢を実務面で支えてきた。これまで以上に安定、盤石と考えてもらえればと思う。今回の業務提携が成立した場合は2人の取締役をヤフーから迎える。ZOZOとヤフーのシナジー効果が生まれると確信している。

少しだけ自己紹介する。06年に当時のスタートトゥデイにコンサルとして関わらせていただいている。08年から内部に所属して計11年間携わっている。最近ではゾゾタウンの責任者だ。

ECというビジネスは、商品、サイト、物流、プロモーションが絡み合いながらビジネスが回っている。オペレーションが複雑。そういったモノを理解している自負がある。ブランドさんとの関係も含め、社長に就任させていただいた理由なのかなと受け止めている。

信条としてはリアリスト、ニュートラル、安定感を目指す。ここまで聞くと前沢と真逆ではないかと思う。実際そう。改めて説明するまでもないが、前沢は既成概念をぶっ壊し、前に進む経営者。結果として今のZOZOがあるのは紛れもない事実。

一方で会社はすごく大きくなった。業界や社会に与える影響、これから先に革新はもちろん安定感が重要になっている。安定的な成長を実現するためのパートナーとしてヤフーさんがベストだという判断をした。

ZOZOはスタートトゥデイという会社から数えて21歳になる。大人の入り口に立つことを求められている。安定はするかもしれないが、つまらない会社になってしまうのではないかと思う皆さんもいると思う。それは大丈夫。つまらない大人になるつもりでなく、やんちゃな大人でいる。

経営者として前沢から学んだことは多い。非常識、非合理といわれることにチャレンジしないとなかなか成功しない。何度もその状況に直面した。その財産を会社に絶やさず伝えていくこと、これもまた使命だ。

やんちゃな大人の張本人である、たぐいまれなるセンスを持つ前沢を失うことは会社にとって大きなインパクト。ただ幸いにも突拍子もない社員、チャレンジしたい社員はたくさんいる。そんなアイデアの種や挑戦心を経営者として大切にしながら、果敢に挑戦していきたい。

今後のZOZOはトップダウン経営から一人ひとり、組織の力を生かした会社になる。前沢のドラムビートで生まれてきたサービスを磨き上げてきたからこそ今のサービスがある。足場を固める仕事も大切だということを私たちは知っている。それこそ誇れるものだ。安定的な成長が求められる中で、これが非常に大きな武器だと確信している。

創業者が去るということは小さなことではない。そういうときだからこそ、新たなアイデアをどんどん生かしていきたい。ヤフーの力もお借りしながら一人ひとりがZOZOという会社を磨き上げていくのが、今回の新しい経営陣の使命だ。

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