[社説]日本語教育が変わるときだ

2019/9/12 19:00
保存
共有
印刷
その他

4月に新設された在留資格「特定技能」による外国人の受け入れが本格的に始まった。日本社会に溶け込んでもらうには日本語力が大事だが、問題は学習環境が整っていないことだ。日本語教育の充実を急がなければならない。

日本語教育の充実は外国人労働者の受け入れ拡大に欠かせない(写真は技能実習生)

先の通常国会で成立した日本語教育推進法は、国と自治体には日本で暮らす外国人の日本語習得を支援する責務があることを明確にした。教育の質や外国人の学習意欲を高める施策を積極的に打っていく必要がある。

政府は日本語の習熟度を示す共通指標や日本語教師の公的資格を設ける準備を進めている。指標ができれば外国人が目標を立てやすくなり、資格制度は教える人の技量向上を促す。こうした取り組みは評価できよう。

求められるのはスピードだ。外国人の受け入れ数は今後急速に増えると見込まれ、指標づくりなどは早期に実現させるべきだ。

これまで政府は単純労働への外国人の就労を公式には認めず、限定的に外国人を受け入れるとしてきた。このため日本語学習の支援体制は手薄だった。それだけに学習環境の充実には課題が多い。

体系的な学習プログラムづくりもその一つだ。外国人が日本語を習う場としてはボランティアによる教室が多いが、教える技量や内容のばらつきが大きいという問題がある。日本語力を着実に引き上げるプログラムを整え、外国人の学ぶ意欲を引き出したい。

自治体と大学の連携も強めるべきだ。大学が持つ日本語教育のノウハウをボランティアに伝えれば、地域の日本語教育の質を高めることができるだろう。

大学などで日本語教育の研究に携わる専門家たちの意識改革も求められる。特定技能資格で受け入れる外国人やその家族への日本語教育は、一定のレベルが見込める留学生とは異なり、わかりやすさを徹底した指導が必要になる。

外国人受け入れ政策の転換に合わせ、日本語の教え方も進化のときを迎えている。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]