慶応医学賞に岸本氏ら 炎症引き金役のたんぱく質発見
慶応義塾大学は12日、医学・生命科学の優れた研究者を表彰する慶応医学賞に、免疫の働きに深く関わるたんぱく質を発見した大阪大学の岸本忠三特任教授(80)ら2人を選んだ。

岸本特任教授は免疫細胞に作用して炎症の引き金になるたんぱく質「インターロイキン6(IL6)」を発見、一連の反応経路を解明した。現在100カ国以上で治療に使われている関節リウマチ治療薬「アクテムラ」の開発につながった。

もう1人の受賞者は、体の様々な部位にある幹細胞の存在や性質を明らかにした、オランダ・ユトレヒト大学のハンス・C・クレバース教授(62)。細胞のがん化に関わる伝達物質「ウィント(Wnt)」が幹細胞の働きに欠かせないことを突き止め、立体的に培養する「ミニ臓器」の開発に道を開いた。