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サウジ、イラン制裁緩和なら減産幅拡大を検討

中東・アフリカ
2019/9/12 16:56
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【アブダビ=飛田雅則】石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟の主要産油国は12日、アブダビで閣僚級の会合を開いた。OPECを率いるサウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相は終了後、仮に米国がイラン産原油の禁輸措置を緩和する場合、産油国側が「意味のある手段をとる必要がある」と述べ、減産幅拡大に取り組む姿勢をみせた。

12日、アブダビで閣僚級会合にのぞむサウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相(左)とロシアのノワク・エネルギー相(右)=AP

会合では、現行の日量120万バレルの減産幅を拡大するかどうかについて協議した。この減産幅は2020年3月まで続けることで合意済みだ。終了後の会見で新任のエネルギー相であるアブドルアジズ王子は減産強化について「12月のOPEC関連会合で協議するのがよい」と述べ、今回は結論が出なかったことを示唆した。同時にイランへの制裁緩和の可能性と産油国側の姿勢に触れた。

世界経済の減速で原油相場が弱含むなか、サウジなどは減産拡大を目指す。OPECに加盟するイラクのガドバン石油相は11日、ロイター通信に「減産幅を広げる必要があるかどうかを話し合う」と語っていた。ところが、シェア低下をおそれるロシアは慎重姿勢だ。

OPECとロシアなどは「OPECプラス」の枠組みを構成し、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビで減産状況を監視する共同閣僚監視委員会を開いた。アブドルアジズ王子は冒頭で「各国は協調減産の約束を守るべきだ」と述べ、枠を上回る生産で利益を確保する「減産破り」を控えるよう、強く求めた。

OPECプラスは7月の会合で、産油量を18年秋の水準から日量約120万バレル減らす協調減産を20年3月まで延長すると決めた。だが、原油価格の国際指標の北海ブレント先物は会合前が1バレル60ドル台前半で、4月の高値から約2割低い。国際通貨基金(IMF)などの世界経済見通しは軒並み減速だ。OPECは11日の月報で19年と20年の原油需要の予測を下方修正した。一部の産油国は減産強化の可能性を探る。

なかでもムハンマド皇太子が構造改革を進めるサウジは原油価格の引き上げに熱心だ。1バレル80ドル前後への上昇を目指しているといわれる。サウジ王族で初めてエネルギー相に就いたばかりのアブドルアジズ王子は9日にUAEで、OPECプラスによる協調減産が「長期間続く」と述べた。減産目標を各国が順守すべきだとも主張した。

一方、ロシアのノワク・エネルギー相は11日「産油量の調整で具体的な提案はない」と述べ、減産拡大に慎重な姿勢を示した。サウジやロシアと並ぶ世界最大級の産油国、米国の石油会社が協調減産に参加しない。OPECプラスの減産で原油価格が上がれば産油量を増やし、顧客を奪う。米国のシェールオイル増産で需給が緩めば原油価格の上昇も頭打ちになる。

サウジの同盟国である米国のトランプ大統領も減産強化に反対する立場だ。原油価格の上昇が米国民の日常生活に欠かせないガソリンの値上がりにつながれば、20年の大統領選に向けた再選戦略に打撃を与えるからだ。

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