2019年9月23日(月)

公明、維新と対立回避 大阪都構想 自民は課題列挙

関西
2019/9/12 14:30 (2019/9/13 0:01更新)
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法定協議会に臨む松井一郎大阪市長(左列奥)と吉村洋文大阪府知事(右列奥)ら=12日午後、大阪府庁

法定協議会に臨む松井一郎大阪市長(左列奥)と吉村洋文大阪府知事(右列奥)ら=12日午後、大阪府庁

「大阪都構想」の制度設計を議論する法定協議会(法定協)が12日開かれ、大阪維新の会主導でまとめた現行案に対し各党が意見を述べた。「是々非々」としてきた自民党は現行案のほぼ全項目で課題を指摘した。一方、水面下で区割り変更を求めていた公明党は正式提案を見送り、維新もコスト抑制で歩み寄りを見せるなど対立を回避する動きも見えた。

法定協は4月の大阪府知事・大阪市長のダブル選後に再開してから3度目の開催。各党がそれぞれ15分の持ち時間で意見を表明した。

大阪市を廃止し4つの特別区を設置するとの現行案について、自民の川嶋広稔市議は「自治体を分割すればスケールメリットが失われ、行政コストが増大する」と強調。大阪府と特別区の財源配分を見直し、住民サービスを維持するよう求めた。

自民は現行案のほぼ全項目について問題点を指摘した24ページの冊子を委員に配布したほか、職員が不足しないか検証する試算などを提出するよう維新側に求めた。これに対し、維新の委員からは「是々非々の『是』の部分はどこにあるのか」といった批判も上がった。

共産党の山中智子市議も「大阪市を分割すればコストが増え、住民サービスをカットせざるを得ない」と主張し、都構想そのものに反対する姿勢を改めて示した。

5月に条件付きで都構想に賛成することを表明した公明は、水面下で維新に区割りの変更を打診していたが、法定協での正式提案は見送った。

合意の条件として掲げた(1)特別区設置のコストを最小限にする(2)住民サービスを低下させない(3)現行の区役所の窓口機能を維持する(4)全特別区に児童相談所を設置する――の4項目を改めて強調。肥後洋一朗府議は地下鉄やバスの敬老パス、塾代助成など住民サービスの維持を求め「(特別区の)努力義務ではなく、確実に承継すると明確に表明すべきだ」と述べた。

「コストを最小限に抑えることは公明と同じ思い」。維新の藤田あきら市議はこう話し、現在の大阪市役所など既存の庁舎を活用することで、現行案よりもコストを抑えるよう提案した。

これまで維新は「コストは投資だ」と繰り返してきた。維新代表代行の吉村洋文知事は法定協終了後、記者団に対し「コストの課題は共通認識になった。既存庁舎の活用でかなり削減できる」と話した。維新代表の松井一郎市長も「できるだけコスト抑制を考えていきたい」と述べた。

ずれる思惑、日程でも

「大阪都構想」を推進する大阪維新の会は、2020年秋~冬の住民投票実施を想定し、年内にも制度設計の大枠を固めたい考えだ。一方、「是々非々」の立場で臨む自民党などは議論に時間をかけるよう求める。議論の進め方でも思惑の違いが浮き彫りになった。

「来年秋から冬の住民投票を考えると、国や議会との調整が間に合わないという逆算だ」。法定協議会(法定協)会長の今井豊府議(維新幹事長)は12日の法定協終了後、年内に制度設計の大枠を固める必要性を強調した。

次回の開催は10月24日で調整中。今井氏によると、年内の法定協は残り3回程度の見込みで、区の名称や設置コストなどの論点について委員間で協議するという。

条件付きで都構想賛成に転じた公明党も、年内の大枠づくりを支持する構え。肥後洋一朗府議は記者団に「今日の提案をもとに公明が求めているものを勝ち取りたい」と話した。

一方の自民。「今回だけでは問題点を網羅できていないと思う。あと3日で議論が尽くされるのか」。川嶋広稔市議は記者団の取材に疑問を呈し、早期決着を目指す維新をけん制した。

法定協で都構想の制度設計が採決されれば、国の審議を経て府・市両議会で議決する。可決されれば、60日以内に住民投票が実施される。

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