二ノ宮隆太郎監督、ワークショップで新作「お嬢ちゃん」

文化往来
2019/9/20 10:08
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二ノ宮隆太郎監督「お嬢ちゃん」。左が主演の萩原みのり

二ノ宮隆太郎監督「お嬢ちゃん」。左が主演の萩原みのり

「枝葉のこと」(2017年)をロカルノ国際映画祭に出品した新鋭・二ノ宮隆太郎監督が新作「お嬢ちゃん」(28日公開)を撮った。過去2作は自身が出演したが、今回は監督・脚本・編集に徹し、初めて若い女性を主役にした。

みのり(萩原みのり)は鎌倉の甘味処でアルバイトする21歳。一見普通の女性だが、どこか違う。海岸で不良男の尻を蹴ったり、女友達との会話で浮いたり。いつも「どいつも、こいつも、くだらない」といらだっている……。

俳優ワークショップを基に映画を製作するENBUゼミナールの企画。オファーを受けた二ノ宮は「まず自分が出ない映画を作ろうと思った。主人公は若い男性でなく、成人を迎えたばかりの女性がいいと考えた」。以前、自身が端役で出演したドラマの打ち上げで知り合った萩原を主演に迎え、他の30人ほどの出演者はワークショップ形式のオーディションで選んだ。

「人がいっぱい出てきて、くだらない会話をする。その中で主人公の感性をどう動かすかを考えた」と二ノ宮。予定調和的な展開はなく、一見無秩序なドラマだが、みのりのいらだちは次第にくっきりしてくる。「他人をくだらないと思っていたけれど、自分はどうなんだと気づく。自立した女性のようで子供っぽい。芯があるようでない。そこが人間らしい」。それは自身が演じた「枝葉のこと」の主人公に通じる。

出演者にそれぞれの人生を聞いて、脚本に織り交ぜた。虚構と現実とを重ねる従来の手法を発展させた。「本当のことは深いし、強い」

6月にフィルメックス新人監督賞グランプリを受賞し、次回作の製作も決まった。定時制高校の教頭が認知症の発症に気づき、家族や友人との関係を見つめ直す物語。「人生についての物語を撮り続けたい」と力強く語った。

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