2019年9月23日(月)

英仏海峡物流、遅延「2日半」 合意なき離脱なら
英政府公表「最悪の想定」

英EU離脱
ヨーロッパ
2019/9/12 6:52
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【ロンドン=中島裕介】英政府は11日、英国が欧州連合(EU)から合意なしで離脱した場合の影響をまとめた文書を公表した。英仏国境では通関手続きの突然の発生などによる大渋滞の影響で、大型トラックが国境を越えるのに最大1日半~2日半遅れる可能性があると指摘した。物流の混乱により離脱の初日には、医薬品の供給量が通常の40%に落ち込むとも予測した。

「合意なき離脱」となれば英EU間に関税が復活し、物流が混乱することが予想される=ロイター

文書は「8月2日時点」と明記されており、英メディアが8月中旬に「政府の内部文書」として報じていた。9月9日の議会下院で、政府にこの文書の公開を求める動議が可決され公表に至った。離脱準備を担当するゴーブ・ランカスター公領相は、文書の公表と同時に公開を求めた議員に出した書簡で「合意なき離脱の影響評価や起きそうな事象の予測ではなく、最悪のシナリオを表現している」と説明した。

文書では国民や企業の「合意なき離脱への意識はまだ低い」と分析した。特に中小企業の準備が大企業に比べて遅れているとの認識を示した。10月31日という離脱時期は悪天候やインフルエンザの流行など悪い条件が重なりやすく、リスクが増える可能性があるとも指摘した。

ヒトの移動では英国民がEU域内を行き来する際の入管手続きが増えるため、英国と大陸欧州をつなぐユーロスターの駅や空港が混雑すると予測した。旅行者が他の旅行ルートに流れかねないと懸念を示した。金融面では国境を越えたサービスの一部が中断するリスクがあると言及した。

英政府は過去の紛争の再発を防ぐために、合意なき離脱でも英領北アイルランドとEU加盟国アイルランドの間で、検問などの物理的な国境管理をしない方針を固めている。ただ文書ではEUへの輸出時に関税や規制上の手続きが発生する可能性があると指摘した。国境付近で抗議活動や妨害行為が発生する恐れもあると言及し、英・アイルランド間で国境に関する何らかの取り決めを結ぶ必要に迫られると分析した。

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