2019年9月19日(木)

米とイランが批判の応酬、核合意巡り IAEA理事会

イラン緊迫
ヨーロッパ
中東・アフリカ
2019/9/12 3:57
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【ジュネーブ=細川倫太郎】ウィーンで開催中の国際原子力機関(IAEA)の理事会は10~11日、核合意の履行を段階的に停止しているイラン問題を討議した。米国は「悪意ある行動をやめなければならない」とイランを批判。イランも米国を非難し、議論は平行線をたどった。他の国々は核合意を維持することの重要性を訴えたが、具体的な手段は見えないままだ。

イランのアバディIAEA担当大使=AP

今月に入ってイランは核合意の逸脱の「第3弾」として濃縮に使う遠心分離機の研究開発の制限を撤廃するなど、履行停止措置を徐々に広げている。米国は「(これらの措置は)イランの脅威を増幅させる取り返しのつかないステップになる」と批判。交渉の扉は開いているとしながらも「制裁圧力を緩和するにはイランが悪意ある行動をやめなければならない」とした。

これに対し、イランは「米国は破壊的な行動と経済テロリズムをやめるべきだ」と反論。米国の一方的な核合意からの離脱と、その穴を埋められない欧州連合(EU)によって核合意のバランスが崩れたと訴えた。

外交筋によると、多くの国がイランの核合意の履行停止措置に懸念を表明し、合意維持の重要性に言及した。ただ、ロシアや中国は「現在の状況を招いた原因は米国の離脱と制裁の再開だ」などと指摘し、イランに一定の理解を示した。

討議後に記者団の取材に応じたイランのアバディIAEA担当大使は、低濃縮ウランの生産などをどの程度増やすかについて「将来の決定について推測はできない」と言及を避けた。IAEAの査察に対してイランの協力が不十分との指摘が理事会で出たことに対しては、「査察には積極的に協力しており、これからも協力を続ける」と強調した。

イランは米国による制裁で経済が打撃を受けており、核合意の維持へ欧州に経済支援を求めている。フランスはイランに150億ドル(約1兆6000億円)にのぼる金融支援を提案したが、実現のメドは立っていない。

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