経済界の訪中団、李首相と日中連携確認

【北京=石橋茉莉】日本商工会議所の三村明夫会頭らが参加する経済界の訪中団は11日、北京の釣魚台迎賓館で李克強(リー・クォーチャン)首相と面会し、日中両国の経済分野での連携を確認した。李首相は「世界経済の不確定な要素が増大している。中日が協力を強化することが世界経済の成長と安定に資する」と述べた。
訪中団の団長を務める宗岡正二日本製鉄相談役は李首相に対して「米中経済対立による世界経済への悪影響と国際社会の分断が懸念されている」と強調。そのうえで「米中両国が交渉で問題解決を図るよう期待する」と語り、両国の協調により自由貿易体制を維持する重要性を主張した。
同行筋によると、李首相は「中米貿易において我々は誠意をもって米国と交渉し当面の2国間問題を解決する策を探っていく」と語り、対立解消に意欲を示した。「中米貿易は、世界経済や貿易の発展に重要であり切り離せない」とも話した。
三村氏は記者団の取材に対し、李首相が中国経済への危機感をにじませて「グローバリゼーションこそ中国を救うと話した」と明かした。
訪中団は日中経済協会と経団連、日商で構成し、3年連続で李首相と会った。経団連の中西宏明会長はリンパ腫の治療中のため不参加だった。
経団連の中西会長は9日の記者会見で、米中摩擦を巡り「中国経済の成長が失速するという見方をする人もいるが、したたかにいろんな手を打ってくるのではないか」と語っていた。
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