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セレクトセール盛況、国内外に広がる名馬の血統

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2019/9/14 5:30
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競馬界に夏の訪れを告げる大イベント、セレクトセールが今年も7月8、9の両日、北海道苫小牧市のノーザンホースパークで行われた。日本競走馬協会が主催する競走馬のせり市場だ。初日、高額落札馬続出で休む間もなく取材に走り回っているうちに、落札総額は空前の100億円を超え、長い長い1日が終了。2日目、木漏れ日の中で、あるいは初夏の陽光あふれる緑の平原で母馬に寄り添うようにしていた今年産まれたばかりの馬が、次々と高額で取引されていった。

母アゲヒバリ(右)とともに展示に姿を見せた父ロードカナロアの牡馬。2億1000万円で取引された

母アゲヒバリ(右)とともに展示に姿を見せた父ロードカナロアの牡馬。2億1000万円で取引された

近年の日本競馬界を引っ張ってきた2頭の種牡馬のうち、年初にキングカメハメハの種付け休止が伝えられ、春先にはディープインパクトの種付け中断のニュースが駆け巡った。時代の転換点を感じさせる中で行われたのが今年のセレクトセールだった。

ディープの子供、今年も市場けん引

1歳馬が取引された初日、市場をけん引したのは今年もディープインパクトの子供たちだった。最高価格の3億6000万円(税抜き=以下同じ)を筆頭に、8頭が1億円を超える額で落札された。しかし、1億円を超えた落札馬21頭の父馬は、キングカメハメハや、その子供で後継種牡馬に名乗りを挙げるロードカナロア、ドゥラメンテ、そしてディープインパクトと同じサンデーサイレンスを父に持つハーツクライなど多岐にわたった。

この日2番目に高かったのはキングカメハメハの子で2億9000万円。オーナーの代理として落札した矢作芳人調教師(栗東)はインタビューで「種牡馬になった時にサンデーサイレンスの血筋が入っていないことが強みになるという話をオーナーとしていた。そういう(レースで活躍して種牡馬になる)レベルの馬にしたいと思っている」と話した。

父キングカメハメハで異父姉にルージュバックのいる1歳牡馬。落札価格は1歳部門2位の2億9000万円

父キングカメハメハで異父姉にルージュバックのいる1歳牡馬。落札価格は1歳部門2位の2億9000万円

今年産まれの馬が取引された2日目も20頭が1億円を超えた。そのうち6頭がディープインパクトの子で、億単位で価格が競り上がるクレージーな雰囲気の中、4億7000万円で落札された牡馬もいた。しかし、この日も目立ったのはキングカメハメハとその後継の座をうかがうロードカナロア、ドゥラメンテの子供たちだった。

この日3番目と6番目の価格でそれぞれ父ロードカナロアの牡馬を落札した有力オーナーの小笹芳央さんは「キングカメハメハの血統は、(父ディープインパクトや父ハーツクライなど)サンデーサイレンス系の牝馬に配合できる。近年は種牡馬になるような馬が引き当てられればいいという気持ちでせりに臨んでいる。一頭でも当たり(種牡馬候補級の成績を出す馬)が出れば楽しみになる」と語っていた。

今年産まれたロードカナロアとアドマイヤテンバの間の子。2億7000万円で落札された

今年産まれたロードカナロアとアドマイヤテンバの間の子。2億7000万円で落札された

セール2日目に、前年から体調不良が伝えられていたキングカメハメハの種牡馬引退というニュースが飛び込んできた。落札率91.4%、落札総額は2日間で200億円を超えるという世界に類をみない結果を残してせりは終了。インタビューに応じた吉田照哉・日本競走馬協会会長代行(社台ファーム代表)は興奮の面持ちで語った。

「馬は世代の回転が早い。種牡馬はどんどん交代していくもの。(日本でトップ種牡馬の体調不良や種付け中止が伝わっているが)米国でも次の主力と期待されたスキャットダディという種牡馬があっという間に死んだ。こうしたことは世界中で避けて通れない道だ。キングカメハメハもディープインパクトも後を継ぐ次の世代の時代になってきている。ただ、ディープインパクトや、さらに遡るとその父サンデーサイレンスのような種牡馬はまだ出て来てはいない」

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