トランプ氏、大統領再選に陰り 共和地盤の補選で苦戦

2019/9/11 17:55 (2019/9/11 20:44更新)
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【ワシントン=中村亮】米南部ノースカロライナ州で10日、連邦下院第9選挙区補選が投開票された。複数の米メディアによると共和党候補が僅差で勝利し、トランプ大統領も同日のツイッターで「彼が勝利したようだ」と祝意を示した。ただ50年以上にわたって共和が議席を守ってきた地盤で民主党の猛追を受けたことは、大統領再選を目指すトランプ氏の戦略に影を落としかねない。

トランプ米大統領は9日にノースカロライナ州で応援演説に駆けつけて共和党候補の支持拡大を狙った=ロイター

「大統領のもとで米国は再び偉大になる」。共和党候補のノースカロライナ州上院議員ビショップ氏は10日、勝利演説でトランプ氏を称賛した。

ビショップ氏は補選で民主候補の元海兵隊員マクレディ氏と争い、米メディアによると11日朝時点(開票率98.1%)の得票率は50.7%と、2ポイントの僅差でマクレディ氏を上回った。同州の別の選挙区では同日、予想通り共和候補が勝利した。

補選は2018年11月の中間選挙で不正が発覚したことによるやり直し選挙。9区はトランプ氏が16年大統領選で12ポイント差で圧勝し、保守色が強い地域だった。

ビショップ氏は性的少数者(LGBT)の権利保護に否定的で、全米ライフル協会(NRA)からの支持も積極的にアピールした。一方、民主のマクレディ氏は中道路線を訴えて医療保険制度改革法(オバマケア)の拡充を主張するなど、共和党の穏健派や無党派層への浸透を狙った。

ビショップ氏の保守色の強い政策はトランプ氏と重なる。一方で中道路線は20年大統領選で民主党指名争いトップのバイデン前副大統領の考えに近い。両者の対決は大統領選の前哨戦として注目を集め、両党は多額の選挙資金を投入した。事前の世論調査では民主候補が上回るものもあった。

トランプ氏は9日、ビショップ氏の苦戦を受けて異例の応援に駆けつけた。トランプ氏は集会で「民主候補は社会主義を崇拝している」「左派を止めろ」と支持を訴えた。10日深夜に当選確実と報じられると、トランプ氏はツイッターに「大きな勝利だ」と投稿した。

ノースカロライナ州で選挙コンサルタントを務めるブラッド・クローン氏は、大接戦となった選挙情勢について「無党派層が民主支持に回った。ノースカロライナ州が激戦州に変わったことを示す」と分析した。

同州では1980年以降、2008年を除き共和党候補が大統領選で勝利している。同州にも選挙資金や人員を振り向けざるを得なくなれば、激戦州の中西部やフロリダ州などに集中するはずだったトランプ氏の選挙戦略は狂いかねない。

下院共和トップのマッカーシー院内総務は投開票前に「補選はあくまでも補選だ」と述べ、大統領選への影響は少ないと強調した。投票率が低い補選の結果は大統領選と比較できないとして、同党への逆風を否定した。

ただ補選での苦戦はトランプ氏からの支持離れを示している可能性がある。米紙ワシントン・ポストとABCニュースは10日、トランプ氏の支持率が38%と7月公表の前回調査から6ポイント低下したとの世論調査を発表した。これに対しトランプ氏はツイッターで「16年の大統領選前も、ワシントン・ポストとABCの世論調査は最悪で不正確だった」と非難した。

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