スペイン、11月に再選挙の公算 連立協議が決裂

2019/9/11 17:20
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【フランクフルト=白石透冴】4月の総選挙以降、新政権が樹立できていないスペインで、11月にやり直し選挙となる公算が大きくなっている。サンチェス首相が率いる与党社会労働党と急進左派ポデモスの連立協議が10日に決裂し、期限までの歩み寄りが難しくなりつつある。政治の停滞はユーロ圏で第4の規模を持つスペイン経済に悪影響を及ぼしかねない。

サンチェス首相の連立協議は難航している=ロイター

「合意に向けた道筋が見えない」。スペインメディアによると、両党間の交渉決裂後、社会労働党のラストラ副党首はこう語った。ポデモス側も「このまま行けば総選挙になる」と合意に悲観的な見方を示した。

協議再開の見通しは不透明で、期限である23日までに新首相を信任できず、憲法の規定に基づき再選挙を行う可能性が高まった。再選挙が決まれば過去4年で4回目の総選挙となる。

19年4月の総選挙で、社会労働党は下院の350議席中123議席を得て第1党となった。だが過半数には届かず、首相指名には他党の協力を得る必要が生じた。

暫定政権を率いるサンチェス氏は政策が比較的近く42議席を持つポデモスを中心に連立交渉を続けてきた。しかし、主要閣僚ポストを提示しない姿勢にポデモスが反発し、交渉が決裂した。ポデモスは社会保障関連などの役職を求めたとみられるが、社会労働党は財政規律の緩みなどを懸念したもようだ。

再選挙に至っても、政治の膠着が続く恐れもある。4月の総選挙以来、各党の支持率に劇的な変化はないためだ。スペインでは有権者が既存政党に失望し、ポデモスなどの新興政党に一部の有権者が流れている。15年12月の総選挙では当時のラホイ首相の与党国民党が過半数割れし、16年のやり直し選挙につながった。

欧州ではドイツ経済が7~9月期に2期連続のマイナス成長となる恐れがあるなど、景気悪化の傾向が出ている。スペインの成長率も18年の2.6%から19年は2.3%、20年は1.9%に減速する見通し。新政権ができなければ経済対策が後手に回り、約14%とEU内でギリシャに次いで高い失業率への不満が政治に向きそうだ。

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