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続発する洪水・浸水 防災サイトで自宅のリスク点検

不動産コンサルタント 田中歩

九州北部を襲った大雨で浸水し、商品が散乱したスーパーマーケット(8月29日、佐賀県武雄市)

9月8~9日にかけて関東を縦断した台風15号は各地に大きな傷痕を残しました。今後も複数の台風が襲来する可能性が示唆されています。いま住んでいる地域やこれから住もうと考えている地域について、洪水のハザードマップなど各種の防災サイトを改めて確認してみてはいかがでしょうか。洪水などの災害リスクを事前に知ったうえでその地域に暮らすのとそうでないのとでは、命や財産を守る点で結果が大きく違ってきます。

高台や台地にも無数の小さな川や地下水路

まず、国土交通省のハザードマップポータルサイト(https://disaportal.gsi.go.jp/)をチェックするのがよいでしょう。詳しくはこのコラムの「浸水・土砂崩れ… 2つのハザードマップでリスク確認」で説明したように、「わがまちハザードマップ」で住んでいる地域の洪水や土砂災害のリスクなどをチェックします。そのうえで「重ねるハザードマップ」で様々な追加情報を入手すればよいのです。

両方のハザードマップをチェックするのは、一方には載っていない情報がもう一方には載っていることがあるからです。例えば、重ねるハザードマップには世田谷区や渋谷区といった台地上にある地域についての浸水予想データは掲載されていません。

これは「内水ハザードマップ」と呼ばれるもので、わがまちハザードマップから各地方公共団体が発表している内水ハザードマップを探し出さないと見ることができないのです。こうした高台や台地にも小さな川(あるいは地下水路)が無数にあり、排水能力を超える降雨時には浸水するリスクがあるのです。

浸水開始後、あっという間に水かさが増す

大きな川の堤防が決壊して洪水になるケースを想定して、浸水が時間の経過とともにどのように広がるかをシミュレーションできるサイト「地点別浸水シミュレーション検索システム」(https://suiboumap.gsi.go.jp/)があります。

例えば、東京駅の丸の内側でも、荒川の旧岩淵水門あたり(赤羽駅の北方)が破堤した場合、何時間後にどの程度の深さで浸水するかがわかるようになっています。

しかも、刻一刻と浸水エリアが広がっていく様子がアニメーションで示されます。また、浸水シミュレーションのグラフも見ることができます。ちなみにシミュレーションでは、東京駅の丸の内側は36時間後に最大1.5メートルの浸水となっていました。

破堤点に近い場所だと逃げるまでの時間が短くなります。例えば、筆者が住む千葉県の松戸駅界隈(かいわい)の場合、江戸川の左岸が破堤すると、浸水開始は破堤から4時間42分後、最大浸水の発生は16時間4分後で4メートル弱の浸水と予想されています。グラフにもあるように、浸水が始まったらあっという間に水かさが増していくので、逃げる準備もままならない恐れがありそうです。

こうしたシミュレーションやグラフを見ると、日ごろの準備を怠ってはならないという気持ちになります。

川の水位や洪水の危険度がリアルタイムに

台風などによる大雨が予想される場合には「川の防災情報」(http://www.river.go.jp/portal/)がとても役に立ちます。このサイトは日本全国の河川に関する防災情報を網羅しており、掲載したのは台風15号が千葉県に上陸した9日午前4時30分ころの画像です。

降雨状況、気象警報・注意報、川の水位情報、浸水の危険性が高まっている河川、洪水予報の発表地域などがリアルタイムに映し出されます。

川の水位情報は、住まいの近くを流れる河川が危険水位に近くなっているかどうかをリアルタイムに教えてくれますし、増水していることをグラフで示してくれます。

このほか「洪水警報の危険度分布」もあり、日本全国の河川について色分けすることで危険度を知らせるものもあります。

次の画像は、台風15号が上陸する直前の8日夜の神奈川県を中心とするエリアです。いくつかの河川について洪水警報の危険度分布が黄色の「注意」に、また一部のエリアは赤色の「警戒」、紫色の「非常に危険」となっていることが分かります。これも刻々と状況が変わっていきますので、川の近くに住んでいて大雨が予想される場合にはチェックしておくとよいと思います。

スマホでも確認できる

これらのサイトはすべてスマートフォンにも対応しており、自身のスマホにブックマークしておくとよいと思います。平時からこうしたサイトを見ることができる環境にしておけば、万一の時に慌てなくてすみます。

また、住んでいる地域の災害リスクを認識していれば、平時に備えることができます。例えば、数日分の水や食糧だけでなく、家族で避難場所を決めたり、火災保険に水災補償が付いているかどうかを確認したりと、災害のリスクを意識すると様々なことに気が付くでしょう。

この機会に是非、各種サイトをご覧になってみください。

田中歩
 1991年三菱信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)入行。企業不動産・相続不動産コンサルティングなどを切り口に不動産売買・活用・ファイナンスなどの業務に17年間従事。その後独立し、ライフシミュレーション付き住宅購入サポート、ホームインスペクション(住宅診断)付き住宅売買コンサルティング仲介などを提供。2014年11月から個人向け不動産コンサルティング・ホームインスペクションなどのサービスを提供する「さくら事務所」に参画。

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