2019年9月19日(木)

グローバル・カタリスト、最大80億円のファンド組成

スタートアップ
2019/9/11 14:19
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日米に拠点を置くベンチャーキャピタル(VC)のグローバル・カタリスト・パートナーズ・ジャパン(GCPJ、東京・港)は日本のスタートアップ企業に投資する最大80億円の2号ファンドを組成した。運用額は2014年に設立した1号ファンド(45億円)の2倍近くに増える。出資元の事業会社と連携して大企業発のスタートアップを生み出す新たな投資モデルを展開する。

グローバル・カタリスト・パートナーズ・ジャパンの大沢弘治代表(左)と平出亮氏

2号ファンドでは1号ファンド出資者のSOMPOホールディングスやNECヤマハ発動機に加えて三菱UFJ信託銀行、関西電力子会社のK4 Ventures、ブリヂストン、ライオンなどが有限責任組合員(LP)として参加する。すでに55億円を調達しており、年内に80億円まで拡充する予定だ。

運用資金の半分は大企業発のスタートアップに投資する方針。「ストラクチャード・スピンイン(SSI)」というシリコンバレー流の投資手法を活用する。まずLPとなる大企業が自社の人材や技術・ノウハウを拠出し、社外に独立したスタートアップを設立する。資本金は全額をGCPJが出すが、LP企業は人材などを拠出する対価として将来スタートアップを優先的に買収できる権利(新株予約権)を得る。

大企業の社内ベンチャーでは一度決めた事業内容を変更するのは難しい場合が多い。SSIでは大企業の社内体制と切り離されているため、意思決定のスピードが速く「事業内容を機動的に変更できる」(大沢弘治代表)という。また大企業は起業が失敗しても新株予約権を放棄すればよく、自社のブランドを傷つけるリスクが小さい。

企業内に適切な起業人材が見つからない場合、GCPJが独自に発掘した起業家がスタートアップの経営を担う。事業が軌道に乗った時点で大企業は人材ごと会社を買収し、起業ノウハウを吸収できる。

1号ファンドではこの仕組みを使い、5社の大企業がスタートアップを設立した。具体的な案件は現時点で非公表だが、大沢代表は「年内には大企業に売却できるスタートアップが生まれそうだ」と話している。2号では15~20の新事業に投資していく計画だ。

SSIは「日本でイノベーション人材を育成するのが目的で、通常のスタートアップ投資と比べてリターンは低めになる」という。このため、残りの半分の資金で20~25社の一般のスタートアップに投資する。投資後の新規株式公開(IPO)支援を強化するなどしてファンド全体でのリターン確保を狙う。1号ファンドでは15社に投資した。印刷・物流サービスのラクスルが18年に上場するなど、好調な運用成果が出ているという。

(鈴木健二朗)

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