コロンビア和平破棄 政府「ベネズエラ関与」と非難

2019/9/11 14:11
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【ベレン(ブラジル北部)=外山尚之】南米コロンビアで2016年に政府と和平合意したコロンビア革命軍(FARC)元幹部が合意を破棄し、武装闘争への復帰を宣言した。コロンビアのドゥケ大統領はベネズエラが闘争を支援していると非難する。一方、ベネズエラのマドゥロ大統領は国境に軍を派遣し、両国の対立が強まっている。

10日、コロンビアに対抗するための軍事演習に参加するベネズエラ軍の兵士(西部ラ・フリア)=ロイター

「世界中の人々は抑圧に立ち向かうため武器をとる権利を持つ」。対立の発端は、FARCの元ナンバー2のイバン・マルケス氏が8月29日にネットに投稿した動画だ。武装闘争再開を宣言し、コロンビア政府と交戦中の民族解放軍(ELN)に連携を呼びかけた。

これに対しドゥケ氏は「ベネズエラのマドゥロ大統領がテロリストを操ってコロンビアを攻撃しようとしている」と批判した。米国のエイブラムス特使(ベネズエラ問題担当)も「マドゥロ政権の支援でFARC元ゲリラやELNがベネズエラ領内で活動している」と指摘する。

一方、マドゥロ氏は11日「犯罪的で好戦的なコロンビア政府による暴力的な脅迫だ」と軍幹部に演説する動画をツイッターに投稿した。コロンビア国境地域に軍を派遣し、軍事演習を開始するという。コロンビア政府は「最大級の警戒」を宣言した。

米国やコロンビア政府は、政情が混乱するベネズエラにゲリラが逃げ込み、金の違法採掘やコカインなどの麻薬製造・流通でマドゥロ政権と連携していると非難する。ベネズエラは米国の経済制裁で原油輸出を封じられ、麻薬産業が主要な外貨獲得手段になっているとの分析もある。

コロンビア政府によると、元FARCのメンバーで武装闘争路線に同調するのは2000人程度。ロンドニョ元FARC最高司令官は「90%以上の元ゲリラ兵は合意へのコミットを続ける」と述べ、元ゲリラに武装闘争に合流しないよう呼びかけた。

コロンビア軍は「元ゲリラの犯罪集団による難民の採用活動が活発化している」と警戒する。現在、少なくとも140万人以上のベネズエラ人がコロンビアに移民や難民として滞在しているとされる。職を得られず路上生活を余儀なくされるベネズエラ人も多い。

16年にFARCと和平合意を実現したサントス大統領(当時)はノーベル平和賞を受賞し、17年に国連監視下で武装解除が完了した。ただサントス氏の強引な和平手法に反発も広がり、18年6月の大統領選では和平に懐疑的なドゥケ氏が当選した。

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