福島第1事故の調査再開へ 規制委

2019/9/11 11:58
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原子力規制委員会は11日の定例会で、東京電力福島第1原子力発電所の事故の調査・原因分析を再開することを決めた。原子炉建屋内の放射線量が下がり、人が立ち入れる場所が増えたため。事故時に大量の放射性物質が漏れ出た経路などを調べて、2020年に報告書をまとめる。

原子力規制庁の職員らが建屋内の立ち入り可能な場所に行って、内部の情報を収集し、試料も採取する。原子炉が入っている格納容器から放射性物質が出た場所や経路、原子炉を冷やすための機器の動作状況などを調べる。

有識者らで作る検討会を約5年ぶりに再開して議論する。廃炉作業と規制委による事故分析を両立するために、規制庁と経済産業省などが事前に作業方針を擦り合わせる会議も新たに設ける。21年3月に事故から10年の節目を迎える前の20年中に報告書を作る。

福島第1原発は11年の東日本大震災の影響で、炉心溶融や水素爆発を伴う過酷事故を起こした。事故分析は事故を受けて発足した規制委の役割の一つだ。

規制委は14年10月にも報告書をまとめており、事故の拡大を招いた電源喪失について「津波による浸水が原因」との見解を示し、地震の揺れが関与していたとする見方を否定した。ただ、当時は放射線量が高く内部の調査ができていなかった。

今回の調査でも放射線量の高い溶融した核燃料(デブリ)が残る格納容器内部などはまだ調べられないため、事故の全容解明には至らない見通しだ。

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