ボルトン補佐官解任 アフガン政策でトランプ氏と対立

2019/9/11 5:36
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トランプ大統領とボルトン大統領補佐官は政策面で激しく対立した=ロイター

トランプ大統領とボルトン大統領補佐官は政策面で激しく対立した=ロイター

【ワシントン=永沢毅】トランプ米大統領が外交・安全保障政策の要であるボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)の解任に踏み切った。背景には米軍駐留が長期に及ぶアフガニスタン戦争への対応など政策面での意見対立がある。強硬派の代表格であるボルトン氏が政権を去れば、対イラン政策などで融和色が強まるとの観測もある。

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「トランプ大統領とボルトン氏は多くの点で意見の違いがあった」。ポンペオ米国務長官は10日の記者会見でこう認めた。ホワイトハウス高官も「1つだけではない。多くの点で相いれなかった」と記者団に説明。「ボルトン氏の優先事項や政策は大統領と足並みがそろわなかった」と語った。

トランプ氏はこれまでティラーソン元国務長官やマクマスター元大統領補佐官ら多くの政権高官をツイッターを通じて解任してきた。ただ、いずれも「マクマスター氏の貢献に感謝している」などと交代の事実と謝意を伝える内容だった。

今回のボルトン氏の解任に際しては路線対立があったことを隠さず、「自ら辞任を促した」ことも明らかにした。そこからは両氏の対立の激しさがうかがえる。

ボルトン氏への不信が決定的になったのは、アフガン政策だった。CNNによると、両氏は9日夜にアフガン和平協議のために反政府勢力タリバンを大統領山荘キャンプデービッドに招く案について激しい口論になったという。タリバンとの合意に前向きなトランプ氏に対し、ボルトン氏は信頼に足らないとして協議に反対した。結局トランプ氏は、8日に予定していた山荘での秘密会談をキャンセルした。

対イランでも、ボルトン氏はかねて軍事行動を唱えてきた。6月下旬、イランによる米国の無人機撃墜を受けてトランプ氏はボルトン氏が唱えたイラン攻撃にいったん傾いたが、大統領選への影響を懸念してその判断を実行直前に翻した。ボルトン氏の持論であるイランの体制転換も、トランプ氏は明確に否定する。

ボルトン大統領補佐官はポンペオ国務長官(写真右)との確執も伝えられる=ロイター

ボルトン大統領補佐官はポンペオ国務長官(写真右)との確執も伝えられる=ロイター

ボルトン氏の政策決定の手法への批判も強い。前任のマクマスター氏は省庁横断の会議を頻繁に開いて幅広い意見に耳を傾けようとしたが、ボルトン氏はそうした会議を好まず、独断専行の色が強い。ポンペオ氏らトランプ氏以外の政権幹部からもボルトン氏への不満が強まっていた。

ポンペオ氏はボルトン氏と同じくイランや北朝鮮に強硬な姿勢だが直言や対立は避けるとされ、トランプ氏との関係は極めて良好だ。このためボルトン氏が辞任すれば、政権の外交政策は融和的になるとの見方がある。

ボルトン氏の解任が伝えられると、10日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場で原油先物は下落に転じた。イラン強硬派のボルトン氏の失脚で、米国とイランの対立が緩和されるとの見方が出たためだ。原油先物市場ではホルムズ海峡で相次いだタンカー襲撃事件で供給リスクが意識されていた。

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ボルトン氏解任 トランプ大統領のツイッター全文
解任されたボルトン米大統領補佐官のツイッター全文
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