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停電で水風呂・車中泊「もう限界」 台風3日目の朝

(更新)

台風15号の影響で広い範囲で停電が続く千葉県では11日、住民らが不安を抱えながら3日目の朝を迎えた。厳しい残暑の中でエアコンが使えず、狭い車内などで夜を明かした人も少なくない。東京電力は同日朝、全面復旧の見通しが立たないと発表した。「いつまで続くのか」「もう限界だ」。終わりの見えない台風被害に住民らは疲れ切った表情を浮かべた。

台風が関東を直撃した9日午後0時40分の時点で約2万9千軒が停電する同県八街(やちまた)市。「こう暑くてはかなわない」。妻(71)や飼い犬と暮らす無職、中村千秋さん(79)はため息をついた。停電した自宅の中は夜も気温が28度前後までしか下がらず、前日夜は冷房の使える車内と行ったり来たりして夜を明かしたという。

9日の停電以降は毎朝、コンビニエンスストアに並び、買ったおにぎりを3回に分けて食べている。水道は使えるが停電で湯を沸かせないため、就寝前に水風呂を浴びている。11日朝になって復旧のめどが立たないと知り、「いつまで待てばいいのか。体調を崩さないか心配だ」と話した。

10日夜、幹線道路沿いのコンビニの駐車場には、車で寝泊まりする人たちの車が並んでいた。ワゴン車に乗る女性会社員(24)は夫(24)や子ども3人と共に前の日に続いての車中泊。「冷房を長時間つけたままでバッテリーが上がらないか心配」と気をもむ。

慣れない生活に子どもたちは体調を崩し、自身もあまり寝られていないという。「そろそろ限界だ。早く復旧してほしい」と訴えた。

大規模停電を受け、市は台風通過後も中央公民館を避難所として開放している。ただ、10日夜の宿泊者は1人だけで、運営に関わる市職員は「エアコンが使えないため蒸し暑く、外の方が涼しいくらいだ」と漏らす。

中央公民館では市民にパンと水を配布しているが、十分に周知できておらず、10日に受け取ったのは約30人にとどまる。

夜に訪れた同市のパート職員、北村那緒子さん(37)は「携帯電話がつながりにくくて情報を得られず、歩き回ってようやく見つけた。夜は暗くて何もできないので、早く寝て朝を待ちたい」と疲れた様子だった。

停電を免れたJR八街駅前の商店街では住民に食事を提供しようと、積極的に店を開ける動きもある。

定食屋を経営する小柳俊夫さん(63)は仕入れができない状況が続いているが、冷蔵庫などにある食材を使い、定休日の10日夜も臨時で営業した。いつもの2倍近い来客があったといい、「停電で食事に困っている人は多い。出せる料理は限られるが、少しでも役に立ちたい」と話す。

近くのカフェでも営業時間を3時間繰り下げ、午後9時までおにぎりや総菜などを販売した。約100食が売れたという。

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