米カーライルと輸出へかじ カプセルの三生医薬

2019/9/15 20:00
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三生医薬(静岡県富士市)は米投資ファンド大手、カーライル・グループの傘下で海外開拓を急いでいる。医薬品や食品で使うソフトカプセルの受託製造からかじを切った。2018年に稼働したソフトカプセルの日本最大級の工場が、輸出のうえで強みになる。先月にインド企業と提携するなど、積極的に販路を築いてもいる。

シンガポールでの展示会「ビタフーズ」などで健康食品を売り込む(2018年9月の展示会)

富士山のふもとに近い、静岡県富士宮市の南陵工場。倉庫などが自動化され、生産性を従来より3割高めた工場は成分のせいでほのかに甘いにおいがした。1時間で9万粒生産できる大型ラインが5台あるにもかかわらず、時間によっては作業員が3人しかいない。

今村朗副社長は南陵工場について「海外の注文に対応できる輸出拠点だ」と話す。海外売上高は18年12月期に56億円で、5年間で10倍となった。さらに5年後に100億円にするという高い目標を掲げている。

布石は打ってきた。たとえば、米国市場を深掘りするため、18年に植物性カプセル「カラギーナンフリー」を発売した。米国では海藻由来の「カラギーナン」が、炎症性大腸炎や結腸がんを引き起こす可能性があると指摘され、それならばと開発した。

米国と並んで狙いを定めてきたアジアではマレーシアの複合企業、テクスケム・リソーセズと18年1月に提携した。東南アジアの7カ国で販売する健康食品を開発中だ。三生医薬が輸出し、テクスケムの販路で売っていく。

三生医薬は14年に米カーライル・グループの傘下に入った。創業者が外資の力を借りようと全株を売却した。南陵工場はカーライル傘下に入ってから計画されたものだ。

研究開発と営業のグローバル化に着手するため、インドなどの出身者を登用した。各国のニーズを把握している。立石健太郎マーケティング本部長は「グローバル企業と新しい取引が生まれ、米国や台湾で事業が広がった」と話す。

輸出拡大のために取った別の対策は商品をソフトカプセル以外に広げること。ひとつがパックやスティックの形に包装するゼリー製品。ダイエット用の低糖ゼリーなど健康食品事業だ。

8月、インド最大手のソフトカプセル製造企業、ジェルテックと提携した。同社のインドでの知名度とハラル認証取得のノウハウを借りる。三生医薬はゼリー製品を厚原工場(静岡県富士市)から輸出する。子供でも食べやすく、低栄養の補完や肥満児のダイエットの需要が高まっている。

将来は現地生産も必要になる。海外でパートナーとなる提携先づくりが欠かせない。卸などの商流や部品供給網のあり方は国ごとに違う難しさがあり、簡単ではない。海外進出の第2幕を切るためにも、輸出で一層、販路を築いていく。

 会社概要 1993年創業で静岡県に生産拠点を4カ所持つ。2014年から米投資ファンド大手、カーライル・グループの傘下に。18年12月期の売上高は約225億円。従業員は現在740人。

(静岡支局 亀田知明)

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