2019年9月19日(木)

さいたま市、「生活・居住」が上昇 72都市特性評価

南関東・静岡
2019/9/10 19:15
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森ビルのシンクタンク、森記念財団都市戦略研究所(東京・港)が10日発表した2019年の「日本の都市特性評価」(72都市対象)で、さいたま市は21位だった。18年版の22位とほぼ同じ結果だが、評価項目別では「生活・居住」の分野で改善が目立った。居住環境への住民満足度の上昇や外国人住民の受け入れ体制の高評価などが寄与したが、総合力で上位を狙うには課題も多い。

大宮を中心に居住地としての人気は高まりつつある

国や民間の統計データやアンケートを分析してまとめた。「経済・ビジネス」「研究・開発」「文化・交流」「生活・居住」「環境」「交通・アクセス」の6分野で83指標を選び、スコアを算出してランキングにした。

さいたま市の生活・居住の分野は18年版では30位圏外だったが、20位に急上昇した。経済・ビジネス(15位→16位)、研究・開発(21位→20位)、交通・アクセス(11位→12位)がほぼ前年並みとなったなか、その改善ぶりが際立っている。

生活・居住分野は(1)安全・安心(2)健康・医療(3)育児・教育(4)市民生活・福祉(5)居住環境(6)生活利便施設(7)生活の余裕度――の7つの指標グループで評価している。同研究所によると、さいたま市では交通事故による死亡者数の少なさや、住民の居住環境の満足度の指標が特に上昇したという。災害時の安全性や外国人住民の受け入れ体制の評価も比較的高かった。

さいたま市は「住みたい街」に関する今年の民間調査で上位に食い込むなど、居住環境の良さに注目が集まりつつある。住民アンケートを基にした満足度の指標が改善したのも、防犯性や利便性などに関する都市のイメージ向上が影響しているとみられる。

一方、生活・居住分野はほかの分野と比べて都市間のスコア差が少なく「わずかな指標の変化で順位が大きく変動しやすい特性がある」(同研究所)。保育や医療関連などスコアが低い指標も目立ち、安定した評価を固めるにはこれらの改善が不可欠だ。

さいたま市には東京都心に近い交通利便性など地方の都市にはない強みもあるが、総合力での上位進出には解消すべき課題も多い。今回の調査では、再生可能エネルギー自給率や二酸化炭素(CO2)排出量の少なさなどを評価する環境の分野と、観光客誘致や宿泊施設の整備などが絡む文化・交流の分野は30位圏外だった。

子育て世代を中心に流入が続くさいたま市も、近く人口減少局面に入るとされる。市は住民の満足度を重視した施策を打ち出しているが、安定的な都市の成長を維持するためにはイメージ先行にとどまらず、経済や文化、環境など幅広い分野の施策をバランス良く進める姿勢が求められる。

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