2019年9月22日(日)

お金を洗い心をきれいに 銭洗弁財天宇賀福神社
ぐるっと首都圏

東京
2019/9/12 11:00
保存
共有
印刷
その他

神奈川県鎌倉市の銭洗弁財天宇賀福神社は、お金を洗い清める神社として有名だ。湧き水をお札などにかけると「金運が上がる」として、観光客が後を絶たない。だが、その真意は神道の「みそぎ」だ。心身ともに清めるということを忘れてはならない。

JR鎌倉駅西口から住宅街を抜けた先に、岩場を切り開いたトンネルがある。薄暗い中を抜けると明るく開け、本堂や社務所が姿を現す。トンネルの外からは岩場しか見えず、神社自体が隠れている神秘さも人気となっている。

敷地は広くないが、5つの社殿を持つ。その中の一つ「奥宮」は洞窟の中にあり、そばの岩から湧き水「銭洗水」が流れている。奥宮を参拝してから持参したお札や小銭をざるに入れ、ひしゃくで水をかけるのが参拝の流れだ。お札に水をかける独特さに、近年は10~20代の若者も多く訪れ、SNS(交流サイト)向けに動画や写真を撮る姿が目立つ。

弁財天の歴史は1185年に遡る。鎌倉幕府を開いた源頼朝の夢に老人が現れ「西北に仙境があり、きれいな泉が岩の間から湧き出している。この水を絶えず使って神仏をまつれば、国内は平穏に治まる」と告げた。お告げ通りに泉を見つけて「宇賀神」をまつると、苦しかった民の生活が富み栄えるようになった、と言い伝えられている。

数十年ぶりに神社を訪れた鎌倉市在住の前田耕造さん(91)は「昔はこんなに人が来るようなところではなかった」と観光地への変化に驚く。かつては地域の人が訪れるだけで、社務所や売店もなかったという。

鎌倉市を訪れる観光客は減少傾向にあるが、それでも年間80万人以上が同神社を訪れる。12日に一度の「巳(み)の日」と呼ぶ縁日には、神主が祈祷(きとう)をする。

40年以上神主を務めている小池千穎さん(75)は「洗うとお金が増えるとみられがちだが、同時に心を清めることで福が舞い込むという意味で、外より中を清めることが大切だ」と説く。(浦崎唯美子)

■アクセス JR鎌倉駅から徒歩約20分。車では横浜横須賀道路の朝比奈インターチェンジから約30分。拝観時間は午前8時~午後4時半。巳の日や休日は、一部道路で車両の通行が制限される。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。