原田環境相、原発処理水「海洋放出しかない」
原田義昭環境相は10日の記者会見で、東京電力福島第1原子力発電所の放射性物質トリチウムを含んだ処理水について「所管を外れるが、思い切って放出して希釈するしか方法がないと思っている」と述べた。汚染水処理後に残る処理水について政府は処分方針を正式に決めておらず、現職の閣僚の発言は異例で、波紋を広げる可能性がある。
11日の内閣改造を前に、就任後の所感の中で述べた。福島第1原発を視察した際に、貯蔵タンクに余裕がない状況を見たことなどを根拠とした。原田環境相は「極めて重要な話であり、しっかり説明し対策を取らなければならない」とも述べた。
福島第1原発の処理水の保管用タンクは既に900基を超え、2022年夏ごろに満杯になる見通し。薄めて海に放出することが、最も現実的な手段とみられているが、風評被害を懸念する漁業関係者らの反発は根強い。