東京五輪でIOC選手委員の選挙も 競技とは別の戦い

2020年東京五輪で実施される国際オリンピック委員会(IOC)選手委員の選挙に向け、日本オリンピック委員会(JOC)はフェンシングの五輪銀メダリスト、太田雄貴氏(33)を擁立する。
大会参加選手の投票で選ぶIOC選手委員は、自動的にIOC委員も兼ねる。太田氏は16年リオデジャネイロ五輪後に引退、2年前には日本フェンシング協会会長に就任し、国際連盟の副会長も務める日本スポーツ界の次世代のリーダー。東京五輪の競技とは別の注目を集める戦いとなりそうだ。
IOC委員には五輪に出場経験のある多数のオリンピアンが名を連ねる。現在のトーマス・バッハ会長はフェンシングの金メダリスト、ジャック・ロゲ前会長もヨットで五輪3大会に出場。ただし、現役や引退直後のアスリートを受け入れるIOC委員枠は以前はなかった。
IOC選手委員会は現役選手の率直な意見を五輪の運営に反映させるために1981年に設置。1999年、ソルトレークシティー冬季五輪をめぐる招致スキャンダルで組織改革を迫られたIOCは、同委員会の委員をIOCに迎えるようになった。
最後に出場した五輪から4年以内なら選手委員となる資格があり、20年の東京では新たに4人が選ばれる。
日本出身の選手委員は過去にシンクロナイズドスイミング(当時)の小谷実可子氏がいるが、IOC委員は兼ねていなかった。2000年以降は、テニスの松岡修造氏、スキー・ノルディック複合の荻原健司氏、陸上ハンマー投げの室伏広治氏らが選挙に出たが、いずれも当選は果たしてはいない。
(編集委員 北川和徳)