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合意なきEU離脱に備える投資家(海外投信事情)

英国の欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)を巡って、世界の投資家が「合意なき離脱」への備えを進めている。離脱期限が10月末に迫り、英国株に投資するファンドから資金が流出。投資家は英経済の混乱を警戒し、リスク回避姿勢を強めている。

英機関投資家、7~8月に英国株ファンドを大量に売り越し

英金融サービス会社カラストーンによると、英国の機関投資家による英国株ファンドの売越額は7月が4億1000万ポンド(約550億円)、8月が3億600万ポンドに達した。5月に買越額が3年9カ月ぶりの高水準となるなど英国に資金が回帰した時期もあったが、買いは続かなかった。

再び売りが強まったきっかけは、メイ前首相による5月下旬の辞任表明だ。しかも7月に後任として就いたのが、合意なき離脱も辞さない強硬姿勢を示すジョンソン氏。新首相は「10月末に何が何でも離脱する」と宣言し、投資家の買い意欲は一段と後退した。

ブレグジットがもたらす企業への影響も避けられない。金融コンサルティング会社グリニッジ・アソシエイツが欧州圏の事業会社を対象に実施した調査によると、英国企業の約3分の2は「ブレグジットが事業に長期的な悪影響を与える」と回答した。「企業にとってブレグジットのプラス面がマイナス面を上回ることはない」(グリニッジ・アソシエイツ)。英企業の先行き不透明感は、投資家の慎重姿勢を助長する要因だ。

世界の投資ファンドも英国株を敬遠

英国株を敬遠しているのは英国の投資家に限らない。ファンド調査会社コプリー・ファンド・リサーチが8月に公表した調査結果では、世界の投資ファンドは英国株の投資比率を引き下げていることが明らかになった。

世界の250の投資ファンドが運用する資産額(4500億米ドル=約48兆円)に占める英国株の比率は7月末時点で7.87%と、2016年の英EU離脱が決まった国民投票直後を下回る。

コプリーによると、欧州地域の株式投資比率では、英国が低下する一方、スイスやドイツ、オランダが増えた。仮に10月末のEU離脱を無事に乗り切ったとしても、EU離脱の影響を見極めるには時間がかかる。英国内外の投資家が英国株に強気になれない状況は続きそうだ。

(QUICK資産運用研究所ロンドン 荒木朋)

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