2019年9月18日(水)

英下院、解散提案を再び否決 ジョンソン氏窮地に

英EU離脱
ヨーロッパ
2019/9/10 8:33 (2019/9/10 9:06更新)
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英議会下院はジョンソン首相が提出した解散総選挙の動議を否決した=ロイター

英議会下院はジョンソン首相が提出した解散総選挙の動議を否決した=ロイター

【ロンドン=佐竹実】英議会下院は10日未明(日本時間10日午前)、ジョンソン首相が提出した解散総選挙の2回目の動議を退けた。最大野党の労働党などが反対か棄権に回り、必要な賛成票が集まらなかった。欧州連合(EU)からの離脱に関するジョンソン首相の強硬姿勢には与野党から批判が強まっている。国民の信を問い巻き返すというシナリオは再び崩れ、首相は窮地に陥った。

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総選挙を実施するには下院(定数650)の3分の2の賛成が必要だが、賛成票は293にとどまった。首相は4日にも総選挙の動議を出して退けられたばかりだった。ジョンソン氏は9日、「総選挙が議会の行き詰まりを解決する唯一の手段だ」と述べていたが、議会に再度阻まれた。

EUとの合意があってもなくても10月末に離脱するというジョンソン首相の包囲網は狭まっている。総選挙の動議に先立つ9日、EU離脱を3カ月延期する法律がエリザベス女王の裁可を経て成立した。これにより、10月19日までにEUとの離脱協定案を議会が承認できない場合、政府はEUへの延期申請を義務付けられることになった。

この法律への対抗策の一つが解散総選挙だった。議会では批判が高まるジョンソン氏だが、国民の支持率は高いままだ。総選挙で与党が過半数を改めて確保すれば、延期法を骨抜きにできるとの読みが政権側にはあった。

英議会の通常の動議では、同じ内容の提案は議長が認めないケースがある。だが今回は、1回目の総選挙の動議のあとに上院が離脱延期法を承認し、女王の裁可を経て成立したという状況の変化があったため、ジョンソン氏は再度提出を決めたとみられる。

合意なき離脱となれば、EUとの間に関税が突如復活するほか、物流が混乱して経済活動に深刻な影響をもたらす。離脱期限である10月末を前に、強硬姿勢を変えないジョンソン首相への批判が与党・保守党内からも噴出。閣僚や副大臣級の辞任が相次いでいた。

9月3日に再開した議会は10日未明に閉会した。その間にわずかに過半数を確保していた与党の議席数は21人の保守党議員の追放などにより、野党より40人以上少なくなった。ジョンソン政権の閣僚は「EUと協議している」と語るが、EU側は「英から具体的な提案はない」と冷ややかだ。

ジョンソン首相は窮地に立たされた(10日)=ロイター

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