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独VW、戦略EV「ID.3」を初披露 350万円未満に

新型EV「ID.3」を発表するVWのディース社長(9日、独フランクフルト)

【フランクフルト=深尾幸生】独フォルクスワーゲン(VW)は9日、電気自動車(EV)の戦略車「ID.3」を世界初披露した。最廉価版はドイツで3万ユーロ(約350万円)未満で、政府の補助金を含めばVWの主力車「ゴルフ」と同等の価格を実現した。EV用に専用開発したプラットホーム(車台)を使った初の車種となり、VWのEV戦略の先鋒(せんぽう)を担う。

10日から始まるフランクフルト国際自動車ショーの前夜イベントで発表した。ヘルベルト・ディース社長は「VWはEVを誰もが手に入れられるものにする」と力をこめた。11月にドイツ東部ツヴィッカウで量産を始め、2020年春から納車する。すでに3万台の予約が入っているという。

リチウムイオン電池を床に平らに敷き詰める「MEB」と呼ぶ新車台を採用。MEBは小型車から大型多目的スポーツ車(SUV)までをつくり分けることができ、量産効果による車両の低価格化を見込める。

MEBを採用したことでID.3はゴルフ並みの全長ながら、上級車の「パサート」並みの室内空間を実現した。基本グレードの満充電での走行距離は330キロメートル。ドイツでの価格は日産自動車のEV「リーフ」より約2割安いが、約2割長い走行距離を実現した。電池容量の異なる走行距離550キロメートルの上位グレードもそろえる。

VWは28年までに約70車種のEVを投入し、全世界で2200万台を販売する計画。MEBを採用した車両はその大半を占める。ID.3が消費者に受け入れられるかどうかは、VWの戦略の成否を占う試金石になりそうだ。

世界5大自動車ショーの1つであるフランクフルト国際自動車ショーは10日の報道公開日で幕を開ける。今回、トヨタ自動車や日産自動車が出展しないほか、仏プジョーやイタリアのフィアットなどの欧州ブランドも不在で、出展者数は前回の17年と比べて2割減った。地元のダイムラーやBMWも出展面積を大幅に縮小し、地盤沈下が指摘されている。

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