2019年9月19日(木)

Google広告事業を調査 独禁法違反で50州・地域も

ネット・IT
北米
2019/9/10 4:46 (2019/9/10 6:24更新)
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テキサス州のパクストン司法長官(中)らが9日、ワシントンの連邦最高裁前で会見してグーグルへの調査開始を発表した

テキサス州のパクストン司法長官(中)らが9日、ワシントンの連邦最高裁前で会見してグーグルへの調査開始を発表した

【ワシントン=鳳山太成】米南部テキサス州など50州・地域の司法長官は9日、米グーグルの広告事業で反トラスト法(日本の独占禁止法に相当)違反がないか調査を始めると発表した。フェイスブックも州が調査に乗り出しており、連邦議会や連邦政府に加えて地方も巨大IT(情報技術)の監視を強める。高成長を続ける各社の戦略は見直しを求められそうだ。

カリフォルニア州とアラバマ州を除く全米48州と首都ワシントン、米自治領プエルトリコが共同で調査する。主導するテキサス州のパクストン司法長官は同日、ワシントンで記者会見を開き「グーグルはネット上の広告と検索のすべてを支配している」と指摘し、既に関連書類の提出を要請したことを明らかにした。

ネット検索市場で9割のシェアを利用して広告主への価格をつり上げたり、他のネット広告会社を不利になるよう誘導したりしていないか把握する。競争を阻害する行為が見つかれば提訴する。

「予備調査」の段階だが今後、広告以外に対象が広がる可能性がある。テネシー州のスレイタリー司法長官は「競争をなくすため発展途上の企業を買収してきたかどうかも関心がある」と述べ、過去のM&A(合併・買収)も取り上げる構えをみせた。ルイジアナ州のランドリー司法長官は「明確な脅威が存在する。グーグルが勝者と敗者を選べる状態だ」と厳しい姿勢を示した。

州司法省も調査に加わることで、グーグルはより広い観点から調べられることになる。州の司法長官は連邦の反トラスト法に加え、各州が独自に持つ同法を執行する権限を持つ。各州の企業がグーグルによって不当な扱いを受けていると判断すれば、代表して連邦レベルで訴訟を起こせる。

今回の動きは「州による独立調査」(パクストン氏)だが、連邦司法省とも既に議論している。連邦と州の共同調査に発展する可能性もある。

州レベルではニューヨーク州など米9州・地域の司法長官も6日、フェイスブックを反トラスト法違反で調査すると発表した。1990年代に基本ソフト(OS)で圧倒的なシェアを持った米マイクロソフトへの反トラスト法違反の調査では、各州司法長官の動きが連邦政府を後押しした。

州が超党派で動き出したことで「GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)」と呼ばれる巨大IT企業の包囲網が、党派を問わず全米に広がったことになる。連邦議会では野党・民主党が主導して下院司法委員会が6月に調査を始めたほか、与党・共和党のトランプ政権も連邦司法省が7月に動き出した。

巨大化するGAFAへの規制強化は欧州連合(EU)が先行し、お膝元の米国では企業の成長を妨げるのを恐れて慎重だった。2020年の米大統領選が近づくなか、ロシアからの選挙介入や個人情報流出などを巡ってGAFAへの一般市民の不満が高まっており、議会や連邦・州政府も重い腰を上げた格好だ。

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