米物言う株主エリオット、AT&Tに戦略見直し要求

2019/9/10 1:34 (2019/9/10 6:15更新)
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【ニューヨーク=宮本岳則】米アクティビスト(物言う株主)のエリオット・マネジメントは9日、米通信大手AT&Tに経営戦略の見直しを求める手紙を送ったと発表した。メディア大手タイムワーナーの買収など過去のM&A(合併・買収)が株主価値の向上につながっていないと主張。AT&Tがライバルに先駆けて進める「メディアと通信の融合」戦略に揺さぶりをかけた。

AT&TはM&Aを通じて「メディアと通信の融合」戦略を進めた=AP

エリオットは380億ドル(約4兆円)を運用するヘッジファンドで、企業に改革を要求するアクティビスト戦略では、欧米や日本を含むアジアの企業に幅広く投資している。AT&Tへの投資額は32億ドルで、1社あたりの投資額としては過去最大規模という。9日の米国株式市場ではAT&T株が一時、前週末比5%高まで上昇し、2018年2月以来、約1年7カ月ぶり高値をつけた。

エリオットは手紙の中でAT&Tの買収戦略に懸念を表明した。15年に買収した衛星放送ディレクTVは加入者が減少している。18年6月に854億ドルで買収し、このほど統合作業が完了したタイムワーナーについては「なぜAT&Tにとって必要だったのか、明確な戦略的根拠が説明されてない」と批判。具体的な売却要求はないが、株価はライバルに見劣りすると指摘した上で全事業の見直しを進めるよう求めた。

AT&Tは同日、声明を発表し、エリオットが手紙で提案した施策について「多くは今日すでに実施しているものだ」と反論した。その上で通信ネットワークから放送、娯楽まで幅広く抱える事業構造が価値創造につながると述べ、部門売却や切り離しに否定的な見解を示した。

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