台風15号、埼玉県民の生活や企業活動にも影響
台風15号が首都圏を直撃した9日、埼玉県内でも交通網の乱れや停電などで市民生活や企業活動に影響が出た。埼玉県によると、午前5時時点で約7900件の停電が発生したほか、強風で屋根が破損した建物が15棟に上った。倒木による国道や県道の通行止めも相次いだ。

JR線や私鉄各線でも通勤時間帯の運転見合わせなどダイヤが大幅に乱れ、主要駅は足止めされた利用客であふれた。JR東日本大宮支社によると、京浜東北線(大宮―大船間)南北行きは計189本、埼京線(大崎―大宮間)上下線は計133本、武蔵野線(府中本町―西船橋間)上下線は計110本が運休した。
小売りなどを中心に企業活動にも影響が出た。埼玉県を地盤とする食品スーパーのヤオコーは県内の一部店舗で雨漏り被害などの報告があり、本社勤務の社員らが「会議より現場優先で対応に当たった」(広報担当者)。高島屋大宮店(さいたま市)は鉄道の乱れで従業員が通勤できない事態を想定し、開店時間を通常より1時間遅らせた。
暴風雨による被害も目立ち、県内の住宅会社には「庭木が傾いた」などの相談が約80件寄せられたという。