データ活用した医療、全ゲノムやAIに注力 厚労省
厚生労働省は9日、データを活用して医療・介護の質や効率性を高めるための計画を改定した。2025年度にかけて、すべての遺伝情報を網羅的に調べて治療や創薬に役立てる「全ゲノム解析」を推進する方針を決めた。10万人の全ゲノム検査を実施した英国を参考に、国内でも多くの患者を対象にした検査計画を19年中に策定する考え。
人工知能(AI)の活用や、個人の健康や医療に関わる情報を本人がスマートフォンで把握し、健康づくりに役立てる取り組みも進める。全ゲノム解析により、がんや難病の原因究明や新たな治療法の開発が期待されている。
このほか、医療機関や介護事業者が患者の過去の医療情報を確認できるようにする取り組みや、ビッグデータを活用して研究の活性化などにつなげる取り組みを推進することも盛り込んだ。
厚労省は様々なデータを医療や介護に役立てる「データヘルス改革」を進めてきた。17年に策定した計画を改定し、25年度までの工程表を盛り込んだ内容に改めた。