膵がん治験費3500万円調達 関西医大がネットで
治療が困難な膵臓(すいぞう)がんに対する薬剤の有効性や安全性を調べる治験の費用の調達を、インターネットで資金を募るクラウドファンディングで進めていた関西医科大は9日、当初目標の1千万円の約3.5倍に当たる約3520万円の寄付が集まって終了したと明らかにした。
6月に1千万円を目標に支援を募ると、わずか2日で達成。目標額を2500万円に引き上げた。募集を終えた今月8日までの3カ月間に、約1700人が寄付をした。
集まった資金は研究データの管理費や人件費などに使う。180人の患者を対象に全国32カ所の医療機関で治験し、新しい手法と通常の手法とで有効性を比較する。患者の募集は今月中旬以降に始める予定。
里井壮平教授らは、死亡率の高い膵臓がんの中でも特に治療が困難な腹膜(内臓を包む膜)に転移したケースに対し2種類の薬剤を使う手法を開発。保険適用を目指し治験を計画したが、国の補助金が確保できないなど資金調達が難航していた。
里井教授は「一人でも多くの患者さんやその周囲の皆さまが苦しみや悲しみから解放されるような治療を提供していきたい」とした。
(共同)