イラン、タンカー石油売却 シリアで荷降ろしか

2019/9/9 18:06
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【テヘラン=共同】イラン外務省のムサビ報道官は8日、英領ジブラルタル当局に拿捕(だほ)され、解放されたイランのタンカーが、地中海沿岸の港で積み荷の石油を降ろしたと明らかにした。国営通信が伝えた。石油を売却したとみられる。米高官はタンカーがシリアに入港したと指摘していた。

シリアの港近くに停泊していることが明らかになったイランのタンカー(8月13日、ジブラルタル海峡で)=ロイター

米国は、売却金は同国が「テロ組織」に認定したイラン革命防衛隊の活動資金になるとして、関係国に寄港させないよう要求。石油がシリアに売却されたとすれば、米欧は反発を強めるとみられ、対立する米国とイランの緊張緩和を目指すフランスの仲介外交に冷や水を浴びせる恐れがある。

トランプ政権の原油禁輸制裁で主要財源の原油輸出が急減しているイランは、米国の監視網をかいくぐって原油を売り抜けようと必死だ。拿捕後は「売り先はシリアではない。英国の海賊行為だ」と非難。タンカーはシリアに向かわないと当局に確約した上で、8月15日に解放され、同18日に出航した。

タンカーはその後、地中海を東へ航行。国際社会が動向を注視する中、トルコやシリアなどの沖合で針路を頻繁に変えたり、位置情報の発信装置を切ったりして不審な動きをした。シリア売却が確認されれば、解放時の約束を破り、英国など欧州勢を裏切る行為だ。

仲介役のフランスはイランに原油を担保とした金融支援を提案したとされ、トランプ政権の対応が焦点だ。今回の石油売却を受けて、米政権内の強硬派が「イランは信用できない」との主張を強める可能性がある。

イランはジブラルタル沖の拿捕事件後、報復のため、中東ホルムズ海峡で英国船籍のタンカーを拿捕。イラン外務省報道官は今月8日、この英タンカーについて「司法手続きは最終段階にあり、早期に解放されることを望む」と述べた。

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