目黒女児虐待死、母親に懲役11年求刑 17日に判決

2019/9/9 17:03 (2019/9/9 20:06更新)
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東京都目黒区で2018年、船戸結愛(ゆあ)ちゃん(当時5)が両親から虐待を受けた後に死亡した事件で、保護責任者遺棄致死の罪に問われた母親、優里被告(27)の裁判員裁判が9日、東京地裁(守下実裁判長)で開かれた。検察側は優里被告に懲役11年を求刑し結審。判決は17日午後3時に言い渡される。

 船戸優里被告=共同

検察側は論告で「自分の逮捕を免れるため(結愛ちゃんを)病院に連れて行かないなど悪質で、責任は重大」と批判。弁護側は最終弁論で「夫の心理的支配下にあった」などとして寛大な処分を求めた。優里被告は公判の最後に「結愛の心も体もボロボロにして死なせてしまった罰はしっかり受けたい」と述べた。

論告などによると、虐待は優里被告と夫の雄大被告(34)=同罪などで起訴=の間に息子が生まれた16年11月ごろから始まり、香川県から目黒区に転居した18年1月から激化した。ダイエット名目で1日に汁物1~2杯しか与えず、極度に衰弱したのに虐待発覚を恐れて病院に行かず、同3月に肺炎に基づく敗血症で死亡させたとされる。

結愛ちゃんの体重は死亡2カ月前の約16.6キロから12.2キロに減少。亡くなる直前「もうおねがい ゆるしてください」とのメモを残していた。

9日の公判は台風15号の影響で開廷時間を午前10時から午後3時に変更した。雄大被告の初公判は10月1日に開かれる。

過酷な虐待明らかに 「夫のDV」評価焦点
 これまで5回の公判では過酷な虐待の実態も明らかになった。一方で、優里被告は雄大被告から心理的ドメスティックバイオレンス(DV)を受け、抵抗できなかったと主張。裁判員がこうした事情をどう評価するかが焦点となる。
 検察側論告などによると、結愛ちゃんは午前4時に起きて運動し、かけ算を勉強するなどの課題を課され、ミスすると雄大被告から腹部を蹴り、水シャワーを浴びせるなどの暴行を受けた。
 「べらんだにたたされた」「もうおねがい ゆるしてください」。結愛ちゃんが残したメモには悲痛な声とともに「パパとママにみせるってきもちでやるぞ えいえいおー」と書かれていた。
 優里被告は被告人質問で「夫の命令は絶対で、背くと結愛に被害が及ぶ。ロボットのように言うことを聞くのに必死だった」と語り、法廷で涙する場面も目立った。「DVとの認識はなかった。助けを求める考えは浮かばなかった」「ごめんなさいという言葉では許されないけど、謝り続けるしかない」と話した。
 公判では、雄大被告が「しつけがエスカレートし、ただの暴力になった」と説明し、「(優里被告は)言葉の暴力で洗脳され、反発できなかったと思う」と供述していることも明らかにされた。
 事件を巡っては、転居後の児童相談所の引き継ぎの不備なども指摘されている。証人として出廷した東京都の児相職員は自宅を訪問した際、優里被告から「児相が関わると不安定になる。会わせたくない」と拒まれたと証言。「尊い命が奪われたことを深く受け止めている」と声を詰まらせた。
 香川県で結愛ちゃんを診察した医師のカルテには「お父さんのキックがいっぱいある」との発言が残っていた。医師は「お母さんが大好きで、助けてもらえると思っていただろう。何とか守ってほしかった」と悔やんだ。
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