韓国でギャラクシーフォールド、内部構造を独自に推測

2019/9/9 15:30
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日経クロステック

画面を折り畳めるスマートフォン「ギャラクシーフォールド」

画面を折り畳めるスマートフォン「ギャラクシーフォールド」

韓国サムスン電子は2019年9月6日、韓国内で画面を折り畳めるスマートフォン「ギャラクシーフォールド5G」を発売した。同社韓国語のウェブサイトでは、「スペースシルバー」「コスモブラック」のいずれも既に「売り切れ(SOLD OUT)」と表示されている(9月6日11時15分時点)。ポップアップメッセージによれば、初期ロットは完売し、混乱を避けるために予約販売に切り替えるとする。9月18日から予約を開始し、9月26日から10月末までに順次受け取り可能になる予定という。

「ギャラクシーフォールド」は韓国のほか、米国、英国、フランス、ドイツ、シンガポールなどでLTE版または5G版を順次発売するとしている。米国では数週間以内に発売すると予告している。

発売にあたり、同社では「ギャラクシーフォールド」についてかなり詳細な内部構造をウェブサイト上で公開している。発売前に発覚した不具合に伴う不安を払拭するための措置なのだろうか。

まず、ヒンジ部分については機構の動きを見せるシミュレーション動画を用意し、さらに試験らしき動画も掲示して20万回の折り畳み動作を確認したとアピールしている。ただし、動画は19年3月28日に公開されたもので、「背表紙」部分の形状からしても19年7月に公開した修正を反映していないタイプでの試験の様子と見られる。なぜ差し替えなかったのかは謎だ。

ヒンジ部分について、信頼性をアピール(図:サムスン電子のサイトのキャプチャ―画像)

ヒンジ部分について、信頼性をアピール(図:サムスン電子のサイトのキャプチャ―画像)

折り畳み動作繰り返し試験の様子も公開(図:サムスン電子が公開している動画のキャプチャ―画像)

折り畳み動作繰り返し試験の様子も公開(図:サムスン電子が公開している動画のキャプチャ―画像)

■アプリケーションプロセッサーは開いて右側に

電池は「2個に分割することで4380mAh(ミリアンペア時)の容量を確保している」とアピールしている。「smarter」と書かれているように、複数個の電池を管理することで電池寿命を延ばすといったメリットを得る手法は、ノートパソコンなどでよく取られている。米アップルの「iPhone(アイフォーン) X(テン)」なども2個の電池を搭載していた。ただし、仕様表によればLTEモデルは4380mAh、5Gモデルの電池容量は4235mAhとのこと。LTEモデルと5Gモデルで電池容量が違うということは、基板などの設計にも違いが大きいのではないかと思われる。

電池の説明画像で基板をチラ見せ。オレンジ色の文字および線は編集部で加えたもの。すべて推測(図:サムスン電子のサイトのキャプチャ―画像を一部編集)

電池の説明画像で基板をチラ見せ。オレンジ色の文字および線は編集部で加えたもの。すべて推測(図:サムスン電子のサイトのキャプチャ―画像を一部編集)

電池の説明画像からは、開いて右側(いわば背面側)パートにヒートパイプの一種のような放熱部品らしきものが見える。とすると、この下がアプリケーションプロセッサーなどのメイン部分であり、こちらがメイン基板なのだろう。右上あたりには3個の背面カメラ(Rear Camera)と2個の内面カメラ(正式には「Front Camera」)やセンサー類が実装されているはずだ。L字型に見える放熱部分の凹み部分にある金属ケース表面の黒いシートは放熱性の電磁波シートのようにも見える。フレキシブル基板(ケーブル)でメイン基板に接続されているようだ。

■左側の内部構造がさらに明らかに

画面の最後では、開いて左側(いわば前面側)の内部構造イラストを見せている。電池がかなりの面積を占めることが分かる。上下のスピーカーや前面カメラ(正式には「Cover Camera」)、SIMスロットなどを搭載しているはずだ。SIMスロットの隣で金属ケースに覆われているのは通信回路なのだろうか。金属ケースが直接基板に実装されているため、伝熱用のグリースを用いるような回路ではないだろう。

右側の基板をチラ見せ。オレンジ色の文字および線は編集部で加えたもの。すべて推測(図:サムスン電子のサイトのキャプチャ―画像を一部編集)

右側の基板をチラ見せ。オレンジ色の文字および線は編集部で加えたもの。すべて推測(図:サムスン電子のサイトのキャプチャ―画像を一部編集)

左右のきょう体は2本のフレキシブル基板(ケーブル)で結ばれているのが分かる。いずれもフレキシブル基板はリジッド基板下に潜り込んでいるように見える。いずれか片方は有機ELディスプレーにつながっているのではなかろうか。電池横の基板の切り欠き部分には金メッキが施されているように見え、厳重なノイズ対策がうかがえる。見えている基板については、部品の実装密度はそれほど高くなさそうだ。

5Gモデルが対応するのは「Non-Standalone (NSA), Sub6」で、ミリ波には対応していない。そのため、専用のアンテナモジュール等は搭載していないだろう。

ミリ波非対応の5G端末として分解した、中国の華為技術(ファーウェイ)の5G対応スマートフォン「Mate 20 X(5G)」は、メイン基板とアンテナを設けたセンターパネルの端が細長く伸びていた。これはアンテナ間の距離をできるだけ長くするためと考えられている。本機のアンテナはどこにあるのだろうか。SIMカードスロットに近い、開いて左側左端にあるのだろうか。それともチラ見せしていない開いて右側の右端や上部にあるのだろうか。公開されているイラストからは判断できなかった。

なお、7.3インチの有機ELディスプレーについては注意書きに「メインスクリーン(折り畳みスクリーン)中央に生じる折り目は、スクリーンの特性上自然なものです」とある。4月時点のレビューでは折り目を嫌がる意見もあったが、この点については改善しがたいということだろう。少なくとも20万回の折り畳みによる画面不具合はないとの判断だろうが、20万回というのは2年間利用したとすると、1時間あたり約23回の開け閉めをした場合(1日12時間利用として計算)に相当する。従来型携帯電話(ガラケー)時代に2分に1回以上開け閉めをする癖があった人は注意した方がいいのかもしれない。

(日経 xTECH 宇野 麻由子)

[日経 xTECH 2019年9月6日掲載]

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