アフガン和平協議中止、「米に損害」 タリバン声明
【ムンバイ=早川麗】トランプ米大統領がアフガニスタンの反政府武装勢力タリバンとの和平協議を中止すると表明したことに関し、タリバンは8日の声明で「(協議中止は)誰よりも米国に損害となるだろう」と述べて批判した。「米国の人命や大切なものがさらに失われ、同国の政治交渉は一貫性がないことを示している」と警告した。
トランプ氏はタリバン有力指導者やアフガンのガニ大統領と8日に予定していた会談をやめ、和平協議も中止すると7日にツイッターで明らかにした。タリバンがアフガンで米軍やアフガン政府軍を相次いで襲撃したことが背景にある。
一方、アフガン大統領府は8日の声明で「真の和平はタリバンが停戦に応じ、アフガン政府との直接交渉に入った時に訪れる」と述べ、タリバンによる襲撃を非難した。28日に予定するアフガン大統領選の延期を求めてタリバンがテロ攻撃を続ける中、「和平協議を進めるために28日に大統領選を実施する」と繰り返した。