中国、8月の輸出・輸入とも前年割れ 対米が大幅減
貿易戦争が打撃

2019/9/8 14:55
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8月の対米輸出は前年同月比16%減、輸入は同22%減と大幅に落ち込んだ(写真は中国・上海の港)

8月の対米輸出は前年同月比16%減、輸入は同22%減と大幅に落ち込んだ(写真は中国・上海の港)

【北京=原田逸策】中国税関総署が8日発表した2019年8月の貿易統計(ドルベース)によると、輸出は前年同月比1%減の2148億ドル(約22兆円)、輸入は同6%減の1799億ドルだった。輸出、輸入がそろって前年同月の水準を下回るのは6月以来、2カ月ぶり。米国との貿易が大幅に縮小したのが主な原因だ。米国との貿易戦争の打撃が本格化してきた。

輸出から輸入を差し引いた貿易収支は348億ドルの黒字だった。輸入の減少幅が輸出の減少幅を上回り、黒字額は前年同月を25%上回った。

貿易不振の主因は最大の相手国である米国との貿易が縮んだことだ。

輸出は前年同月比16%減、輸入は同22%減といずれも大幅に減った。7月の対米輸出は同7%減だった。中国の対米貿易はこれまで輸入が先行して減ってきたが、輸出の減少幅が拡大してきた。

トランプ米政権が19年5月、中国製品2千億ドル分への関税率を10%から25%に上げたのが響いた公算が大きい。対米黒字は269億ドルと前年同月より13%減った。

米国以外も含めた貿易全体をみると輸出の減少は2カ月ぶり。主力の携帯電話(前年同月比11%減)、パソコン(同13%減)がいずれも2桁の減少率を記録した。労働集約型の衣類、ニット類、家具なども軒並み前年同月の水準を下回った。

対米輸出の不振を補ったのは、ベトナムをはじめとする東南アジア諸国連合(ASEAN)向けの輸出だ。ASEAN向けの輸出は前年同月比11%増え、とくにベトナムは26%も増えた。外資にくわえて中国企業もベトナムに生産拠点を移し始めており、中国から部材をベトナムに輸出している。米国の追加関税を避ける迂回輸出の拠点としてベトナムを活用しているとの指摘もある。

一方、輸入が前年同月の水準を下回るのは5月から4カ月連続となる。輸入減少は中国の内需低迷を映している。最大の輸入品である半導体は同2%増と前年同月を上回ったが、力強さはない。

今後も楽観できない。トランプ米政権は9月1日から中国製品1100億ドル分に15%の追加関税を発動した。10月1日からは発動済みの第1~第3弾の計2500億ドル分への追加関税をいまの25%から30%に引き上げる方針。8月の結果をみると、駆け込み輸出も起きない恐れがある。米国向けを中心にさらに貿易が縮小すれば、南部の広東省を中心にした製造業への打撃が広がる。

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