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NBA、本命不在の優勝争い 米代表辞退招く
スポーツライター 杉浦大介

2019/9/9 5:30
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中国で開催されているバスケットボールのワールドカップ(W杯)で、アメリカ代表は9月8日まで順調に4連勝を飾っている。5日には日本にも53点差で圧勝し、その強さをアピールしたのは記憶に新しい。ただ、アメリカのメンバーを見ると、過去の代表チームと比べてスター不足という印象を抱いたファンは多いのではないか。

レブロン・ジェームズ、ステフィン・カリー、カワイ・レナードといったスーパースターたちはかなり早い段階で代表辞退を発表。直前になってアンソニー・デイビス、ジェームズ・ハーデン、デイミアン・リラードらも次々と不参加を表明した。それでも勝ち続けていることで層の厚さを誇示しているという見方もできるが、やはり小粒感は否めない。そんな事情もあって、アメリカ国内では今回のW杯への関心が高いとはとても言えない。

W杯で日本に53点差の圧勝劇を演じた米国代表だが過去と比べるとスター不足は否めない=ロイター

W杯で日本に53点差の圧勝劇を演じた米国代表だが過去と比べるとスター不足は否めない=ロイター

これほど辞退者が相次いだ理由として、様々な要素があげられる。1年後の夏にはより注目度の高い五輪が待ち受けていること、しばらく国際舞台で勝ち続けたがゆえに代表チーム軽視の風潮が再び生まれつつあること、最近のNBAではスター選手の負担削減が重要視されていることなど。それらとも関連しているのだが、来季のNBAは優勝争いが混沌としていることも要因の1つではあるのだろう。

昨季まで5年連続で決勝に進み、3度の優勝を成し遂げたゴールデンステート・ウォリアーズが絶対の時代は終焉(しゅうえん)。そのウォリアーズからケビン・デュラントが抜け、クレイ・トンプソンもケガで来季の大半を欠場することが確実な状況で、2019~20シーズンは本命不在の激しい優勝争いが予想される。

■スター選手が続々移籍

特に今オフは各チームの戦力補強が激しかった。トロント・ラプターズを初優勝に導いたばかりのカワイ・レナード、攻守両面で優れたポール・ジョージはそろってロサンゼルス・クリッパーズに移籍。さらにリーグ屈指のビッグマンと称されるアンソニー・デイビスがロサンゼルス・レイカーズに、2年前にシーズンMVPを獲得したラッセル・ウェストブルックはヒューストン・ロケッツに、得点力の高いデュラントとカイリー・アービングはブルックリン・ネッツに移籍した。これらのスター選手を獲得したチームは確実に戦力アップし、優勝候補の一角として挑んでくる。

開幕まであと約1カ月半の現時点で、クリッパーズ、レイカーズ、ロケッツ、ウォリアーズ、ミルウォーキー・バックス、デンバー・ナゲッツ、フィラデルフィア・76ersなどがほぼ横一線。前評判の高いチームがほぼ順調に上位に勝ち進むのがNBAの魅力であり、物足りない部分でもあったが、新シーズンは多くのチームにチャンスがあり、先の読めない戦いが続く可能性が高い。

こんな状況下では、多くの選手たちが母国代表入りを望まなくても仕方ない。オフの間に代表チームでフル回転し、体力を消耗するのではなく、万全のコンディションでNBA制覇を目指したいと考えるのは理解できるからだ。結果として、今回のW杯でのアメリカ代表の陣容は物足りないと感じるファンはいるとしても、代わりにNBAシーズンの盛り上がりはかなり期待できそうではある。

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