FRB議長「適切に行動」 利下げ示唆、時期は示さず

2019/9/7 2:53
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講演するパウエルFRB議長(6日、スイス・チューリヒ)=ロイター

講演するパウエルFRB議長(6日、スイス・チューリヒ)=ロイター

【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は6日、スイスでの討論会で「世界景気は減速が続きそうだ。我々は経済成長の持続へ適切に行動するだろう」と述べた。貿易戦争などによる景気悪化リスクを防ぐため、7月に続く追加利下げの可能性を示唆したものだ。ただ、9月17~18日の次回会合で利下げを決断するかは明言を避けた。

パウエル氏は6日、チューリヒでスイス国立銀行(中央銀行)のヨルダン総裁らと対談形式で講演した。米景気については「労働市場と家計消費は力強いものの、貿易問題によって生産部門は弱含んでいる」と述べた。世界景気の減速懸念を指摘して「我々は経済成長を持続するため適切に行動するだろう」と主張した。

FRBは7月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)で10年半ぶりの利下げを決定し、市場では9月中旬の次回会合で追加緩和に踏み切るとの見方が強まっている。パウエル氏は利下げ局面に転換する直前の6月にも「成長持続へ適切に行動する」と表明しており、今回の討論会でも同じ表現を使って追加緩和に踏み切る可能性を示唆した。

先物市場では9割超の確率でFRBが9月17~18日の会合で追加利下げに踏み切るとみており、パウエル議長も利下げ観測をほぼ追認した。ただ、早期の追加緩和を明言するのは避けて「米経済は良い状態にあり、物価上昇率も(目標の)2%に戻っていくだろう」と強調。次回の会合に向けて「あらゆる経済データを注意深く分析する」と述べるにとどめた。

米景気は拡大局面が続いており、FOMC内には利下げに反対論が残っている。トランプ米大領が「短期間で1%程度の利下げ」を要求し、市場と政権による金融緩和の圧力は強烈だ。パウエル氏は市場の利下げ観測とやや距離を置くことで、金融政策の主導権を取り戻したい狙いがあるとみられる。

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