2019年9月21日(土)

大阪から淡路島に本社移転 プライミクス
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2019/9/9 7:00
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社食は地産地消、知名度向上

撹拌(かくはん)装置製造のプライミクス(兵庫県淡路市)は2015年、本社を大阪市から淡路島に移した。これを機に進めた職住近接や充実の社員食堂は同社の成長を支える。本社敷地内の寮には海が見える大浴場や映画館があり、ゴルフ練習室やフットサル場も備える。社食のレシピは約1千種類。地産地消を推進し、島の活性化にもつなげようとしている。

ほぼ全員が海に向かって座るオフィスは毎日、クジ引きで座席を決める

ほぼ全員が海に向かって座るオフィスは毎日、クジ引きで座席を決める

「知名度が低い中小の製造業に若い人はなかなか注目してくれない。会社の売りをはっきりさせる必要があった」。兄の急逝に伴い、04年に社長のバトンを受けた古市尚社長。材料を高速で均一に混ぜる装置で化粧品や2次電池向けに国内外で高いシェアをもつが、人材確保や社員の創造性向上のため「遊び心」ある社内改革に取り組んだ。

柱の1つが島への本社移転だ。新社屋の玄関を入って通路の左側にあるオフィスでは社員がほぼ全員、海に向かって座る。気持ちを新たにするため座席は毎日、クジ引きで決める。通路を挟んで右側の工場は空調設備を充実させ、夏でも快適な作業環境を整えた。植物を配置するなど町工場のイメージを大きく変えた。

海に臨む斜面には40戸の独身寮と10戸の世帯寮を設けた。食堂ではビリヤードやダーツなどを楽しめる。ヨガや洋菓子づくりといったクラブ活動も盛んだ。淡路島の本社に勤務する約160人のうち3分の2が島内に住み、このうち社長ら48人が寮生活を送る。島への移住者は約40人。「独身の天国だ」といった声も聞かれる。職住近接は経費削減だけでなく、気持ちの余裕にもつながりうる。

さらに古市社長が重視したのが社食だ。寮の食堂と合わせ朝昼晩と3食を提供。1食あたりの献立は1種類だが、1年通じて同じものはない。野菜や米など約80品目を島で仕入れ、加工食品は使わない。島で調達できなくても兵庫県産を扱うことで地産地消や、食材輸送の環境負荷を示すフードマイレージの軽減を図る。豊富な食材は島への移転の決め手にもなった。

社食は工場見学に来た地元の高齢者や島外の取引先にも人気で、島で高めた知名度は安定した採用につながっている。本業の装置製造では2次電池関連で中国に限らず、欧州にも販路は広がった。「楽しく仕事できれば、いい結果は生まれる」。古市社長は信じて疑わない。(小嶋誠治)

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