新しい広尾病院、2031年度に完成 東京都が基本計画

2019/9/6 17:00
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東京都は老朽化に伴い建て替えを決めた都立広尾病院(渋谷区)の整備基本計画をまとめた。現在の病院での診療を継続しつつ、2025年度から解体と新病院の建設に入る。28年度ごろに手術室など新病院の一部がオープンし、31年度にも病院全体を完成させる。災害時の都心部の拠点病院と位置づけ、1日最大4000人超の患者に対応できるようにする。

広尾病院は引き続き災害医療の拠点を担う(東京都渋谷区)

新しい広尾病院は地上9階・地下1階建てで、延べ床面積は約4万2000平方メートルを確保する。病床数は現在の426床から約400床へと減らすが、災害時には建物内のスペースを活用し800床程度に増やす体制を整える。

平時の外来患者数は1日850人を見込み、災害時はこの5倍程度の患者の受け入れに対応する。事業費は病院部分の概算で約340億円を予定する。

災害対応として、非常用の電源設備を設置し3日分以上の燃料を確保する。水も3日分以上ためておき、災害用の井戸も整備する。島しょなどからの患者搬送に備えた屋上のヘリポートと直通可能な救急用のエレベーターも用意する。

広尾病院は外国人の利用も多いことから、外国語での案内や誘導サインも拡充し、宗教を持つ患者らに配慮して礼拝室も設ける。患者の家族の宿泊施設を敷地内に開くほか、患者や家族の癒やしになるホスピタルアートの導入も検討する。

都は舛添要一前知事の時代に、広尾病院を移転させる計画を決めていた。国道246号沿いの旧こどもの城跡地などを移転先としていたものの、小池百合子知事が有識者委員会や都医師会など関係者らの意見を踏まえて再検討を指示した。その結果、小池氏は「現地建て替えが適切」と判断し、計画を白紙に戻し、現在地での再整備を決めた。

広尾病院の現在の建物は1980年に竣工した。大規模災害発生時の拠点となる、都心部唯一の「基幹災害拠点病院」の指定を受けている。ただ、災害時は平時の約2倍の受け入れ能力が求められるにもかかわらず、病床転用の余力は約120床にとどまる。老朽化とともに機能面の拡充が大きな課題となっていた。

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