北朝鮮のサイバー攻撃、韓国など17カ国に 国連報告書

2019/9/6 8:40
保存
共有
印刷
その他

北朝鮮は仮想通貨交換所などへのサイバー攻撃で約3年間で最大20億ドルを違法に取得した

北朝鮮は仮想通貨交換所などへのサイバー攻撃で約3年間で最大20億ドルを違法に取得した

【ニューヨーク=大島有美子】国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会の専門家パネルは5日、北朝鮮に対する履行状況に関する中間報告書を正式に発表した。北朝鮮が各国の金融機関に対するサイバー攻撃などを通じ、最大20億ドル(約2100億円)の資金を違法に取得したと報告した。軍部主導で暗号資産(仮想通貨)を不正に採掘(マイニング)するなど、資金獲得の具体的な手法も明らかにした。

報告書は2月から8月初旬の制裁の履行状況をまとめた。サイバー攻撃を通じて金融機関や仮想通貨交換所から、約3年間で最大20億ドルを違法に取得したという。攻撃を受けた金融機関は韓国、インド、バングラデシュ、チリなど17カ国にまたがり、少なくとも35回に達した。

報告書は具体的な資金獲得の手法も詳述した。軍に仮想通貨に関する専門的な部署を設けており、コンピューターを使って仮想通貨を得る「採掘」の作業にあたらせている。他人のコンピューターを乗っ取り、必要な処理をさせる最近のサイバー犯罪の手口「クリプトジャッキング」を活用している。

ソフトウエア開発者などIT(情報技術)に詳しい技術労働者ら数百人を欧州、アジア、アフリカ、中東などに送り、違法に仮想通貨を取得するといった工作にも従事させている。派遣先の会社のトップには名義上は現地の人を据え、北朝鮮が実質的に運営していることを隠している。労働者は毎月3000~5000ドルを稼ぎ、北朝鮮に外貨を送っているという。

派遣は北朝鮮で核や弾道ミサイルの開発計画を統括する部署が担っている。

石炭や石油などの積み荷を洋上で船から別の船に移す「瀬取り」が昨年に続き横行していることも明らかにした。2019年1~4月で石油精製品の年間取得上限である50万バレルを超えて石油を輸入した。少なくとも127回、93万トンの石炭を密輸出し、9300万ドルを取得したという。安保理の制裁決議では、北朝鮮による石炭の輸出を禁止している。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]