ライチョウ、北アルプス20羽を中アへ 環境省が初計画

2019/9/5 10:30
保存
共有
印刷
その他

国の特別天然記念物で絶滅危惧種のニホンライチョウを長野県の中央アルプスで復活させるため、環境省が北アルプスに生息する約20羽を捕獲し、中アに放鳥する初の計画を検討していることが5日までに同省への取材で分かった。現在、1羽しか確認できていない中アに「移住」させて数を増やし、繁殖につなげたい考え。早ければ来年8月にも実施する方針だ。

 中央アルプスで半世紀ぶりに確認されたライチョウの雌とふ化したひな(7月)=環境省提供・共同

中アのライチョウは絶滅したと考えられていたが、昨年7月、駒ケ岳で半世紀ぶりに雌1羽を確認。今年6月、この雌に北アで採取したほかの個体の有精卵6個を温めさせ、7月に5羽のふ化が確認されたが、天敵による捕食か悪天候による衰弱が原因で、約10日で全滅した。

同省はこの失敗を踏まえ、ほかの生息地からライチョウを人の手で中アに移動させることを検討。中アで見つかった雌1羽と遺伝的に近い北アの乗鞍岳の3家族計約20羽を移し、自然に個体数を増やすことを目指す。

ひなが生まれても1年生存率は20%程度と低いのが課題だ。このため飛べるようになるまでの約1カ月間、天敵の動物からケージを用いて保護する。今年行った別の卵を温めてふ化させる事業は来年も継続するという。

ライチョウは1980年代に南北アルプスなどの高山帯に約3千羽生息していたが、2000年代初頭には約1700羽まで激減。同省は南アの北岳で15年からケージを用いて保護し、17年からは捕食動物をわなで捕獲するなどの保護活動を実施。15年から個体数が約60羽増える成果が出た。

今回の「移住計画」について、環境省信越自然環境事務所の自然保護官、福田真さんは「人の手を加えないと絶滅を免れない。20羽いれば個体数を増加させ、中アでの生息地復活が見込める」と話している。〔共同〕

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]