米CME、現物受け取り可能なLNG先物上場 世界初
【シカゴ=野毛洋子】米先物取引所の運営大手CMEグループは4日、米液化天然ガス(LNG)大手のシェニエール・エナジーと組み、現物受け渡しが可能なLNG先物を今年10月14日に上場すると発表した。CMEによると、現物受け渡し可能なLNG先物の上場は世界で初めて。LNG最大輸入国の日本などアジア市場の需要を見込む。

上場によって市場参加者は米南部のテキサス州とルイジアナ州の境界にあるシェニエールの輸出拠点を利用し、専用船を使ってLNGを供給もしくは受け取ることができる。CMEのグローバル調査部門責任者のオウェイン・ジョンソン氏によると、米国のLNG輸出量は今後5年でオーストラリアを抜いて世界1位になるという。
受け渡しが可能になれば、供給側は余剰分を先物市場で売却でき、調達側は必要分を購入できるようになる。「市場の需給をより反映した価格形成が可能になる」(ジョンソン氏)という。
上場発表にあたり、東京電力ホールディングスと中部電力が共同出資するJERAの海外法人のJERAグローバル・マーケッツの葛西和範最高経営責任者(CEO)は「市場の透明性を高めるCMEの上場を歓迎する」と述べた。
日本でもLNG先物の上場が検討されており、CMEの新市場の今後の動向が注目されそうだ。