2019年9月23日(月)

米経済「一部に貿易摩擦の影響」 地区連銀報告

貿易摩擦
北米
2019/9/5 3:45
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米経済は貿易摩擦や海外経済減速の影響が出ているという(カリフォルニア州の港で並ぶトラックの列)=AP

米経済は貿易摩擦や海外経済減速の影響が出ているという(カリフォルニア州の港で並ぶトラックの列)=AP

【ワシントン=長沼亜紀】米連邦準備理事会(FRB)が4日発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)は、7月中旬から8月末にかけて米経済は「緩やかに拡大した」と総括判断した。一方で「関税や貿易政策をめぐる不透明さへの懸念が続いている」とし、製造業、農業などに海外景気の減速や貿易摩擦の影響が表れていると指摘した。

同報告は、経済拡大ペースを「緩やか」と表現し、前回と同様の景気判断を維持した。企業は貿易政策や関税に懸念を示しながらも「大半は明るい短期見通しを維持している」とした。全体的にみると雇用は前回報告同様に緩やかに増えたほか、賃金上昇および物価上昇も引き続き緩やかだった。

ただ、製造業に関しては業況の悪化を報告する地区が相次いだ。中部セント・ルイス地区では製造業者の大半が「生産、新規受注、設備稼働率が前年比で鈍化した」と報告し、複数企業が要因として関税と中国との貿易摩擦をめぐる不透明さをあげた。

中北部クリーブランド地区の企業は「海外需要の減少で製品価格が下がり、外国企業との競争が激化している」と報告。売り上げ減を受けて、雇用面でも残業削減やシフトを減らすなどの対策をとっている業者もいると伝えた。東部ボストン地区では人員削減を検討している半導体関連企業もあった。

運輸業も複数地区で弱含んだ。東部リッチモンド地区では国際貨物の空輸が減ったほか、トラック運送会社も取扱量が減り、一部企業は関税の影響を要因にあげた。

農業は、悪天候や商品価格の下落、貿易政策をめぐる不透明さから苦境が続いており、農家の負債返済能力や機械購入意欲を弱めているという。

関税の物価への影響にはばらつきがあり、小売業者による価格転嫁は数カ月後との予測がある一方、急な価格上昇を避けるため一部業者はすでに転嫁を始めているとの報告もあった。

同報告は、8月23日までの情報に基づき、全米の12地区連銀が経済動向をまとめたもので、17日~18日に開く次回米連邦公開市場委員会(FOMC)の検討資料になる。市場ではすでに次回FOMCでの利下げ実施は織り込み済みで、注目は下げ幅に集まっている。

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