2019年9月18日(水)

グーグルに米当局が制裁金 子供の情報を違法収集

ネット・IT
北米
2019/9/4 23:09
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【シリコンバレー=中西豊紀】米連邦取引委員会(FTC)らは4日、傘下の動画配信サービス「ユーチューブ」が子供のプライバシーを守らなかったとして米グーグルに1億7千万ドル(約180億円)の制裁金を科したと発表した。子供のプライバシーを巡るFTCの制裁では過去最大規模のもよう。企業に甘いとの批判もあったFTCだが、個人情報保護では攻勢を強めている。

【関連記事】米グーグル、利用者情報を広告主に提供か FT報道

処分はニューヨーク州の司法長官と連名で出した。制裁金の内訳はFTCが1億3600万ドルで、ニューヨーク州が3400万ドル。

連邦法では13歳に満たない子供の個人情報の取得には親の同意が必要だが、FTCによるとユーチューブはこれを怠っていたという。FTCは市民団体らの指摘を受け18年末からこの問題を調査していた。

ユーチューブはユーザーがアカウントを作成する時には13歳以上であることを求めている。アカウントを通じて会社が個人の閲覧履歴や嗜好に関する情報を取得できるようになっているからだ。子供向けには動画を絞った専用アプリをつくり、個人情報をとらない措置をとっていた。

だが、実際には13歳未満の子供でも大人のアカウントをつかって動画を視聴する事態が横行していた。子供向けの玩具を扱うメーカーなどが大人向けのサイトに宣伝を兼ねた動画を流していたからだ。こうした宣伝は子供の興味をひき、ユーチューブ上の人気「番組」となっていた。

FTCはユーチューブがこうした事実を知りながら対策をとってこなかったと指摘。「(ネットユーザーの行動を追跡する)クッキー技術などを使い、ターゲット広告で数百万ドルを稼いだ」と厳しく非難した。

一方でユーチューブは同日「今後、子供向けの動画を通じて入ってくる個人情報はユーザーの年齢にかかわらず『子供のデータ』と見なす」との声明を発表。子供向けと見なされる動画から入るデータはターゲット広告には使わない方針を明らかにした。

欧州では18年5月に個人情報の保護規制を強化するGDPR(一般データ保護規則)が導入された。米国はプライバシー問題には寛容とされてきたがフェイスブックの情報流出問題以降、風向きがかわりつつある。特に個人データを広告に活用するビジネスには監視の目が強まっており、今後関係する他の企業にも影響が出る可能性がある。 FTCは2月にも、同様の法違反で米で人気の中国系動画サイト「ティックトック」の運営会社に570万ドルの制裁を発表した。7月にはフェイスブックに対しても個人情報の大量流出で50億ドルの制裁金を科した。プライバシー専門家の中にはフェイスブックを含め今回の制裁金は「収益力のある大企業に対してはまだ甘い措置だ」との声もある。

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