北海道のJR24区間は「総赤字」、5年連続で全区間

2019/9/4 19:57
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JR北海道が4日公表した2018年度(19年3月期)の区間別収支状況によると、北海道の24区間(19年4月に廃線した石勝線夕張支線含む)は全区間が営業赤字だった。区間別収支の公表を始めた14年度から5年連続。鉄道の利用促進や非鉄道事業の育成などで31年度の連結黒字化を目標としているが、肝心の稼ぐ力は上向いていない。

全区間の赤字総額は549億円と、17年度と比較すると1億6300万円改善している。ただこれはコスト減の効果で、路線自体の競争力が上がっているわけではない。18年の台風21号や北海道胆振東部地震の影響などで鉄道事業の売上高にあたる営業収益が782億円と17億円減ったものの、冬季の積雪が少なかったことで除雪費用が50億円と17年度より6億円少なかった。

多くの区間で除雪費が減り、24区間のうち半分以上の14区間で赤字幅は縮小した。北海道新幹線(新青森―新函館北斗)の営業収益は地震の影響もあって3億円減の93億円だったものの、車両の減価償却費や除雪費が減って営業赤字は3億円改善。95億円となった。

特に乗客数が少ない5区間(夕張支線含む)のうち、最も赤字額が多いのは高潮の被害後にバス代行輸送に切り替えている日高線(鵡川―様似)の7億3900万円で、根室線(富良野―新得、7億3400万円)、留萌線(深川―留萌、6億4000万円)が続いた。ただ留萌線の同区間は除雪費減が大きく寄与し、赤字額は9200万円圧縮された。

一部廃線を前にJR札沼線を訪れる鉄道ファンら(月形町の石狩月形駅)

一部廃線を前にJR札沼線を訪れる鉄道ファンら(月形町の石狩月形駅)

19年4月に廃線となった夕張支線(夕張―新夕張)は鉄道ファンらによる「廃線フィーバー」もあり、輸送密度(1キロあたりの1日の平均輸送人員)が倍増した。営業赤字は1億9700万円と17年度から1千万円の改善にとどまった。

JR北は4日、これまで開示していなかった四半期決算も初めて公表した。19年4~6月期の連結決算は、最終損益が10億円の赤字(前年同期はトントン)だった。国鉄の分割民営化の際に財テクで収支を補うよう国から付与された経営安定基金の運用益が71億円と、低金利により8億円目減りしたことが響いた。

第1四半期の売上高は1億円増の403億円。ゴールデンウイークが10連休となったことなどで新幹線を含む鉄道運輸収入が前年同期と比べて5億円増の173億円と堅調だった。

JR北は非鉄道事業の育成も急ぐ。ホテル事業の売上高は2億円増の20億円、不動産事業の売上高は1億円増の63億円と、いずれも目標値を上回った。一方、訪日外国人客を鉄道に誘客する周遊券「北海道レールパス」の発売額は3億3000万円と、前年同期比で3000万円減った。台湾の航空会社の乗務員によるストライキなどが影響している。

(安藤健太)

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