2019年9月16日(月)

凸版、文化財をデジタル化で蓄積 画像と研究を一元化

ネット・IT
2019/9/4 16:16
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凸版印刷はこのほど、文化財の高精細画像と専門家の知見をアーカイブ上で一元的に管理する研究者向けのシステムを開発した。文化財の画像データに専門家の知見をひも付けでき、学術研究に活用できるようにする。まず国宝「洛中洛外図屏風(舟木本)」を画像データとして保存し、京都大学の提供する専門的な知見を屏風絵にひも付けした。

凸版印刷と京都大学が共同で開発した「ETOKI(えとき)」。カーソルを絵の一部分にかざすと関連する情報を表示する。

デジタルアーカイブ上の「洛中洛外図屏風(舟木本)」。屏風の箇所に関連する情報をひも付けできる。

システムの名称は「オンライン・フィールドワーク・システム(ETOKI)(えとき)」。文化財の約22億1000万画素の画像データに地理や歴史、工芸などの専門家の見解を結びつけ、文化財に関連する情報を蓄積する。アーカイブ上では複数の分野から提供された知見を一覧でき、分野を越えた学術研究につなげる。

今回、凸版印刷は「洛中洛外図屏風(舟木本)」をスキャナーなどで記録しアーカイブ上に保存。京都大学総合博物館(京都市)が名所や建築物、人物に関する情報を提供した。

文化財は保存状態を保つために展示期間が限られているものが多い。高精細の画像データをアーカイブに蓄積することで、研究者が文化財をいつでも閲覧できるようにしていく。

屏風の一部にカーソルを合わせると、京都大学が提供した建築物や人物に関する関連情報が表示される。たとえば、屏風で両替商の様子を描いた部分にカーソルを合わせると、当時取引された硬貨の情報が表示される。

紙を高精細な画像データとして記録する技術をもつ凸版印刷が文化財保存に技術を転用した。当初は屏風や絵巻物など劣化を免れない紙の文化財を保存する目的があったが、保存とあわせて文化財の情報をアーカイブ上で管理すれば学術研究に役立つと考え、同システムの開発につながった。

将来的には蓄積する文化財の数や専門家の知見を増やしていく。インターネット上にアーカイブを公開し、一般の人もシステムを利用できるようにする見込み。専門家だけでなく個人の見解や解釈も文化財のデータにひも付けできるようにし、同システムを文化情報のプラットフォームにしていく計画だ。

凸版印刷は9月、各国の博物館・美術館関係者が集う国際博物館会議(ICOM)京都大会でシステムを出展する。

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